富山大学理学部で、震災から4年を迎えて特別講演会「福島の今・未来・放射線で診て、治す」がありました。1年2回、富山大学が放射線に関する情報発信をしているものです。
1 福島原発事故による放射能汚染の現状…植田真司さん
海、陸での放射能の汚染は大分減ってきているが、河口付近はまだ高い。2cmぐらいのところの土で止まっているので、川に流れたか、空気中をさまよっているのかもしれない。
タコやイカは小さいが、スズキ、メバルなど大きな魚は高く、イワナ、ヤマメ、ウグイ、鯉などは出荷制限されている。キノコは1000という高いものもある。
福井沖に、福島沿岸の船が流されてきたり、現在、高知沖で汚染された魚が見つかっている今、富山湾にも汚染された魚が来るのは、時間の問題である。最近、福島原発付近の放射線が50倍に増加している。早く京都大の小出先生の言われるように、福島の原発は石棺化してほしい。
2 福島県における除染と除染廃棄物などの管理に関する現状と課題・・佐藤正知教授
2300台のモニタリングがあり、これからも持続的にモニタリングしていくことが大切だそうです。山林地域の除染が進んでいない。廃炉には40年かかるので、中間貯蔵施設の建設が急がれる。
3放射線で診る・・最新の画像診断 ・・・野口京教授
CTとMRIの違いが多くの映像でよくわかりました。T2強調画像、拡散強調画像など、大きさだけでなく、その方向性にも注目する新しいMRIが紹介され、すごいスピードで進化する医療技術は、素晴らしく、未来が明るくなった気分です。これからは、日本の医療技術を世界に紹介し、平和で技術力の高さ、安全をブランド化した国作りをめざしていけばよいと思います。
4放射線で治す、期待されるがんの放射線治療学・・・・平田秀紀教授
多くの映像を使い、わかりやすく、楽しく、IT時代の放射線治療が飛躍的に進歩していることを説明していただきました。重荷電粒子の小型化が早く実現してほしいものです。
正常な細胞を守りながら、ピンポイント攻撃して、きれいにがんが治った事例がありました。肺がんも早期発見、早期治療で、余命が3か月から3年に延びているそうです。物理工学と化学薬学、生物学医学で立体診療が可能になっているそうです。
最先端の医学の今を無料で地域の市民や学生に紹介してくださった富山大学の皆様に感謝申し上げます。