江戸東京たてもの園5
旅館・萬徳
間口の広い建物は、旅館萬徳。
ここでも椅子の張替えの実演をしていた。
椅子の張替えは見ているとなかなか手間のいる仕事だが、手際よく張り替えてゆく。
旅館の帳場だろうか、事務机に電話が乗っている。
風呂は五右衛門風呂。
この様に置いてあったかどうかは不明。
老骨が戦時中疎開した農家の風呂は五右衛門風呂だった。
風呂のふたを開けると、中に丸い板が浮かんでいる。
その板を踏み沈めながら入る。
初めは板の踏み方が悪く板がひっくり返る事があり、入るのが難しかった。
丸い板には4~5本の1センチほどの隙間があり、板が沈みやすくなっていた。
入浴中に追い炊きをするとその隙間から熱湯が噴き出し、やけどをしそうになる事がある。
外には釣瓶井戸があった。
疎開先の農家も釣瓶井戸だった。
学校から帰ると先ず水を汲み、大きな水がめに水を張ること、風呂に水を張ることが仕事だった。
釣瓶井戸からバケツに水を入れ替え、風呂場まで運ぶのは大仕事だった。
こんな思い出にしたりながら旅館を後にし、帰途に就いた。