「幻影の時空間」
昨日は、私のビデを制作全般にわたりご指導いただいたS先生の「幻影の時空間」と云うビデオ作品の上映会に出席した。
S先生は映画の歴史等に造詣の深い方だ。
今回の作品は初めて拝見するもので、見る前から期待感でわくわくしていた。
映画の創生期1895年から1995年(映画100年)に至る映画製作の歴史を収録された膨大な映画資料を、年代別、ジャンル別、そして映画製作の思想的変化、フランスのヌーベルバーグ、イタリアのネオ・ロマンチシズム、イギリスのフリー・シネマ、アメリカのニューシネマ、等々その時代々々に起きた映画表現の変化にスポットを当てると云った映画史、特に収録された映画の多さには圧倒され、もう感動で胸がいっぱいだった。
私も映画大好き人間だが、このように映画史や、映画製作の時代背景や、映画監督など等を考えたことも無く、ただ漫然と映画を見て楽しむ事だけだった自分が恥ずかしい。
だが見た映画の数は大概の人には負けない自信がある。
今日の上映作品に収録された映画の少なくとも半分以上は見ている。
映画が好きだった母に連れられて芝居、映画を見始めたのは1934年頃の4歳の頃だった。
太平洋戦争中の小学生時代にも国策映画と云われる戦争礼賛型の映画を見ていた。
洋画ではチャップリン、キートン、ローレル・ハーディ等の喜劇なども見ていた。
終戦後最初に見た洋画は「モロッコ」だった。
ソ連映画「氷の花」はカラー映画と云う事で人気があり、数時間並んで見たものだ。
長編カラー映画「風と共に去りぬ」ではカラー映画と云う事、しかも太平洋戦争以前1939年に作られた作品ですごく感動した。
戦前にこのような素晴らしい映画を作るような国と戦って勝てるはずが無いとつくずく思ったものだ。
青年時代には毎日映画を一本は見る。
休日には4~5本を梯子をしながら見たものだ。
テレビ以前の娯楽と云えば映画しかなかった。
現在ではテレビ向けのドラマ作品が多く、映画館で映画を見ると云う事が無くなってしまった。
しかも映画館で上映されたものがすぐにDVD化されたり、テレビに流されたりするので、ますます映画館に行かなくなってしまった。
映画大好き人間としては寂しい限りだが、そういう自分も最近は映画館に通うことがめっきり少なくなってしまった。
現在の事、昔の事を色々と考えさせられた上映会だった。