X山と云う名の雑木林
我が家の近くにX山と呼ばれている雑木林がある。
その昔、この雑木林の中にX状の道があった事からX山と呼ばれるようになったと云われている。
今から50年程前にはこの辺りは鬱蒼とした雑木林で、子供たちの昆虫採集のメッカだった。
クワガタ、カブトムシ、コガネムシ、カミキリムシなど子供たちの好きな昆虫が沢山いた。
その他貴重な植物も多々見られた。
その後、土地開発が進みX山周辺の雑木林は住宅化が進み、X山を残すのみとなった。
X山の消滅を憂いた市のボランティア団体がX山の存続を強く市に働きかけ、この林を市が買い取ることになった。(この辺は記憶があいまいだが大体このような事だっと思う)
以来、ボランティア団体によって維持管理がされてきたが、雑木が枯死し始め、林の形態の保持が問題となり、雑木林の再生に取り組むことになった。
林の維持方法について色々な議論があったが、今のうちに古木を根元から切り倒し、残った切り株から出る新芽を育てると云う方法が取られることになった。
5~6年前に林の南側の一部を切り株からの芽生えを実験的に始めた。
これが成功し、若木が育つ新しい雑木林が出現した。
これを受けて、昨年から本格的な雑木林の造成に向けて工事が始まった。
昔は林の中を自由に歩き回る事が出来たが、市が管理するようになり、林の中に遊歩道を作り両側に柵を設け、林の中に立ち入る事が出来なくなった。
そして所々に休息用のベンチやテーブルが置かれるようになった。
以前は子供たちの絶好の遊び場だったり、市民の憩いの場だったり、保育園児たちが林の中で遊戯をしたりしていたものだが、林の中に自由に立ち入る事が出来なくなり、それらの姿は全く見られなくなってしまった。
老骨としては昔のように自由に林の中を走り回れるようにしてもらいたいと思っているが、如何なものだろうか。