昨日、アジア女性交流フォーラム(小倉ム―ブ)にて 「第58回 国連女性の地位委員会(CSW58) 帰国報告会」が開催されました。
テーマは 「女性及び女児に対するミレニアム開発目標(MDGs)の実施における課題及び成果」の解説 報告者は織田由紀子氏 (北九州サスティナビリティ研究所研究員、 全KFAW主席研究員)
第二部は CSW58における日本政府の取り組み
「自然災害におけるジェンダー平等」: 日本政府が提出した決議文に関する解説 報告者は 二宮正人氏 (北九州市立大学法学部教授、内閣府男女共同参画会議監視専門調査会専門委員)
最後に 「北京+20」に向けて 報告者は同じく織田由紀子氏
最後に質疑応答 20時閉会、という流れでした。
一般市民の方に分かりやすく解説して頂けるということで、私も夕方、(他の用事を済ませ) 慌てて小倉へ向かい、ギリギリ間に合いました。 第58回 国連女性の地位委員会(CSW58)は、ニューヨーク 国連本部で開かれたそうです。 毎年、年に一回、3月に年次総会が開かれているそうで、メンバー国は45カ国。 日本もその中の一国。 58回という回数からも分かるように、戦後すぐ、1946年に発足し、日本は1957年から参加しているそうです。 Commission on the Status of Women の略で、CSW58ですね。
今年は2014年3月10日(月)から21日(金)、内、10日のワーキングディの会期中、政府代表、市民社会(NGOなど)が参加。 登録者は860団体から6千人以上! サイドイベント約135、パラレルイベント300以上というから驚き。(なお、これらの情報はすべて昨夜ム―ブで配られた資料によります) 最新情報を得るため、情報交換のため、NGO団体職員の方などは、これらに積極的に参加してきた経緯があるようです。 とはいえ国連の建物に入るにはパスが必要で、行けば誰でも入れるわけではないそうですが…。 国連の敷地外で行われるパラレルイベントの方はパスが無くても大丈夫なようです。 こちらはNGO CSW/NYが事務局。
日本政府は 「女性が輝く社会」作りをすすめており、世界に広げたい等 演説を行ったということで、概要についての資料も頂いて帰りました。
難しい内容よりも、こぼれ話の方が記憶に残っているもので、 #CSW58 いわゆるハッシュ・タグが話題に上りました。 一般市民誰もが、ニューヨークの国連本部の会議に出席出来る訳がない、一昔前であれば、いわゆる密室の会議だったものが、 PC 或いはスマートフォンの登場で、#タグを使い、 「今ね、〇〇氏が ・・・・・と発言している」 と、発表者の発言内容をtwiteer で世界中に、発信することで、会議が即座に国連本部の外にいる全世界の人々に知れ渡る時代になった、ということです。
言われてみれば… そうですよね。 飛行機でNYまで飛んで、会期中、あらゆる団体と接触し、足で動いて情報収集していた時代からすれば、 へぇ… という時代が到来しているのですよね。 twitter で世界に広がる「発表内容」について、アフリカから、中東から、アジアから twitter で 「自分は こう思う」等、どんどん返信が返ってくるという… 言われてみれば、そうだなぁ。 #CSW58の情報収集だって、簡単に得られる時代なんだな、と。 帰国報告会をム―ブの会議室で聴きながら、まるで国連総会の会議を傍聴しているかのような(妄想かな?)気分に一瞬、なりました。 まるで赤毛のアンを翻訳した想像力豊かな花子のようです。 昭和生まれの私には、#ハッシュ・タグで世界に発信☆ twitter の威力に関するお話が最も印象に残ったのでした。
第二部は 3.11の震災から日本は何を学んだか、についてです。 こちらの方が私にはより分かりやすかったです。 女性や女児の権利等については世界の中で何かと遅れをとっている日本ではありますが、「自然災害におけるジェンダー平等と女性のエンパワーメント」 「Gender equality and the empowerment of women in natural disasters」 という決議名で CSW58に 決議を提出したそうです! 提案国が日本。 この案に賛同する、当初は23カ国;(資料は英語で国名を書いてありますが…お暇な方は目を通して下さい、ということでした) いち早く賛同した国はアルファベット順に アルゼンチン、ブラジル、チリ、エストニア、ドイツ、ギリシャ、ハイチ、提案国日本、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、オランダ、ニュージーランド、Palauはパラウでいいのでしょうか?、パナマ、ペルー、ポーランド、セルビア、スリランカ、スイス、米国です。 後に新たに4カ国、48カ国、更に4カ国が賛同し、(これらの国については資料にないので分かりません) 最終的には79カ国共同提案国となり、2014.3.21投票なしで採択されたそうです。
日本政府代表の方が一般討論ステートメントとして発表した文の中に印象に残る言葉がありました。東日本大震災時、避難生活において女性、乳児が最も困難に直面した理由です。授乳、(缶ミルク)紙おむつ、生理用品等、必要不可欠なものへの備え不足等、女性であれば思いつくのですが…これらの不足、準備不足の背景にある理由です。
「背景には、防災、災害救助、復旧・復興のあらゆる段階での意思決定に女性がほとんど参画しておらず、男女のニーズの違いを踏まえた対策が不十分だったという問題がありました。この経緯から、日本は平常時から、男女共同参画の視点からの災害対策について、関係者が理解しておくことが重要だと学んだのです」、(配布資料17ページ10-13行目から引用)
フィリピンスタディツアー参加前、旅に必要な物をメモ用紙に書きだし、準備する中で、まるで災害時の準備をしているようだな、と感じたものです。ホームスティ先では、水浴びのみ、と聞いていたので、ウエットティッシュ(身体拭き用、赤ちゃん用おしり拭き等) 日本とは違ったトイレ事情を考慮し、いつもより準備万端な生理用品、もしお腹を壊した場合を考えればレトルト食品(おかゆ等)、飲料水の準備、簡単に食べられる朝食用の食品(カロリーメイトに似た物) 薬、虫よけスプレー等など…。 いつもの海外旅行では持参しないこれらのものが実際、現地では想像以上に役に立ちました。 ツアーの日程は7泊8日でしたが、災害時、救助を待っている期間も人によっては1週間かかったケースもあり・・・。 難しい会議の内容はよく分からない私でしたが、ここでも頭の中ではフィリピン滞在時の経験を思い出しつつ、平常時には何でも買えば手に入る、便利すぎる日本での生活とは かなり違う生活圏だったから気付けたこと、有難いと感じたこと、例えば水洗トイレがあり、水が流せる便利さ…。 フィリピンから帰国して丁度、ひと月が経過した今だったからこそ、心に響くことも多かった、そんな報告会でした。
又、機会があれば、このような企画に参加させて頂きたいと思います。 ありがとうございました。
追伸: 今回の報告会には、フィリピンスタディツアー参加者も 私の他にお一人、参加されていましたよ