未来の恋人へ向けて 自分のこころを 赤い風船に例えて歌う 平島 和平くん作詞・むたゆうじさん作曲の 「風船」
ポップなメロデイーに乗せて 旅を続ける自由な心を描いた曲。
まるで 童話にメロディーがついたような不思議な感覚。
赤い風船が旅の途中で電線に引っ掛かりそうになったり、カラスに突かれそうになったり、
或いは田園風景をふわふわ飛びまわったり・・・
そんな 風船のような平島くんのこころが目に浮かんでくる。
「ぼくを見つけたら つかまえて下さい」
未来の恋人に しっかり僕をつかまえて・・・って
もし こんな風船が自分の手元に舞い降りたなら
知らない誰かを そっと抱きしめたくなるようなラブレター
平島くん 見つけた? あたなの大切なひと?
思わず晴れた日の空に向かって 呼びかけたくなる
風船そのもののようなポップに明るく歌った楽曲なのに
ちょっとだけ せつないラブソング
それは2曲目、「ぼく」において
「ぼくは鹿児島本線を走る電車のようなもの。いつも誰かがしいてくれるレールの上しか走れない」
と歌う彼の身体を思うように自分の意志では動かせない はがゆさのようなフレーズが後に続くからかな・・・
3曲目には、なんと
当時、小学生(アルバムは1995年にリリースされている) むたゆうじさんの息子さん、雄志(ゆうし)くんがメインボーカルで登場するよ!
5、7、10曲目には二人の娘さん、長女、明日歌さんと次女、眞奈歌さんもコーラスで参加! 音楽一家ですね。
アルバム一枚をすべて聴き終えて、全体的に明るくポップな印象が余韻として残る理由の一つは 3人の参加も理由の一つかなと思いました。
この世では 洪水のごとく言葉が生みだされていき、星の数ほど恋愛を歌った曲はあるけれど、このアルバムほど
必死に命をけずり
懸命に生きて
いっぱいいっぱいの心で恋する喜び、切なさ、苦しさを歌ったアルバムは他にないのでは・・・
そして いつか 僕の この手で
僕の力で 誰かに 何かを
あげてみたい
なんて………ラララ ラララ ララ ラララ
(作詞:平島和平 作曲:むたゆうじ 「ぼく」より)
4曲目に続く 「なめくじの歌」の詩はチクッと心の奥にきました…生まれて初めて重度の身体障害者のお兄さん(小学校低学年だった自分より、かなり大きかったから)を目の前で見て、表現は悪いのですが、どうしてよいのか分からず、数歩、後退してしまった時のことを思い出したから。 それから ほんの一二年後が経過して読んだ、大好きだった少女マンガ、「キャンディキャンディ」の場面が心に焼き付いたんだった。 テリ―とキャンディの別れのシーン。 テリーをかばって片足を失くしたスザナを見捨てることが出来ないテリー。スザナとキャンディへの愛の狭間で苦しむテリーの心情を察し、身を引くキャンディ。 そんなキャンディに 「テリーはキャンディより かたわのスザナの方がいいって、貴方、ふられたんだもんね!」 というイライザ。 私が特に印象に残ったのはキャンディの次の台詞だったんだ。
「こころが かたわ の貴方より、スザナの方が よほど美しいわ!」
今では「かたわ」なんて単語そのものがNGワードなのかもしれません。でも、小学生の私には充分すぎるくらい的確な表現で、一生忘れない 「人との向き合い方」でした。 障害者、健常者、関係なく・・・それが あの時点ではまだ、同情の域を出ていなくて、例え 「頭の中のみの理解」だったとしても。
ここに紹介します。
「なめくじの歌」 作詞・平島和平 作曲・むたゆうじ
僕は台所の なめくじです
僕を見て女の子は 逃げ出してしまいます
男の子は僕のことを見ると 詩をつくります
僕はたしかに体は きたないかもしれません
だけど 僕は 思います
心のきたない人間になるより
心のきれいな なめくじでいたいのです
僕は台所の ごきぶりです
僕を見て女の子は キャーと言って逃げます
男の子は僕のことを見ると 追いかけてきます
僕はたしかに 顔は こわいかもしれません
だけど 僕は思います
心の冷たい 人間になるより
心のあたたかい ごきぶりでいたいのです
平島くん、ありがとう。
私も出来ることなら 心のきれいな なめくじに・・・
心があたたかい ごきぶりに・・・なれるかな・・・
アルバムのタイトルになっている「変身」という曲は、サンバのようなリズムで軽快に流れてきます。それまで目を閉じて聴いていたんですけど、思わず顔を上げてCDプレイヤーの方を見てしまいました。作詞をした平島和平くんが むたゆうじさんとの出逢いを詩にしたものだそうです。なんでも出逢ったその日!に詩が生まれたのだとか。 むたゆうじさんは著書の中で、又来ます、といって二度と戻って来ない人が多い中、自分は又、戻ってくるシンガーになりたい…みたいなことを(そのままの引用じゃなくて御免なさい)書かれていました。 お互いにとっての出逢いが それだけ人生において大きな意味を持つことだったのですよね。きっと二人の人生を変身!させた出逢い、そして曲。
素敵だね・・・こんな出逢いを経験できて・・・
むたゆうじさんがCDに直筆で書いて下さったように、
「生まれてきて、生きていて、良かった・・・」って心から思えるよね♪
6曲目、「君へのラブソング」 バラードです。このアルバムで唯一のバラード。むたゆうじ、大人のソロって雰囲気。(呼び捨てにして御免。でもプロのシンガーとしての尊敬の念を込めて…ですので)
詩は長船信二さん。曲は勿論、むたゆうじさん。ソロでバラードを歌う時の飛鳥涼の姿と重なりました。
7曲目、「王選手」これには秘話があります。王さんの名前を使うのは、著作権の問題で、駄目だと詩を書いた湯治久志くんに説明したらしいのですが、ガン!として「王選手でなくては駄目!」ときき入れなかったらしく・・・王さんに連絡を入れたところ、二つ返事で 「了解♪」 を頂いたらしく、それは拍子抜けするほどに・・・流石、王さん。世界の王が 庶民から「王さん」の呼び名で親しまれる理由が、ここにありますよね。だから大好き。だから偉大な人。 そしてとっても身近な人、それが王選手であり、この曲。
こうしてアルバムを聴いてくると・・・(他に、「こころ」「はばたけ」「おかあさん」全10曲収録)
どれも 「おかあさんといっしょ」で歌って欲しい。
「NHKみんなのうた」で歌われるべき作品♪♪
もったいない・・・・発売されてから早16年。私、全く知らなかったよ。どの曲も。何も知らずに生きてきた。これらの曲に今日まで出逢わずに生きてきたこと・・・なんて もったいないのだろうって、心の底から思う。
本当に良いもの、よい作品、詩、楽曲に歌・・・それらが必ずビルボートのヒットチャートを駆けあがる訳ではないってこと。思い知らされるよね。メジャーにならなくても 名曲はいっぱいあるんだ。それを知らずにいる私達・・・なんてもったいない。曲が可哀そう。NHKにCD送ろうか?
すず
王さん♪
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