朝青龍が敗れ、2敗になりました!
二連覇は難しくなりましたね。
白鳳 頑張れーーーー
(今場所は、違う力士に優勝して欲しいから・・・・喜びは分けあって)
勝負の世界では、そんなことは言ってはいられないのですが、
千秋楽まで残り二日となりました。
利用者さんたちとの 『思い出ほろり』 あんなこと、こんなこと・・・・断片的にふっと脳裏に浮かんでくる旅行のメインは九州場所だと思います。
お相撲さんは迫力満点でした。
しかし私のお隣に座っていた応援団は、さらに迫力が・・・・!
私の椅子半分の領域まで食い込んで座っているので、私の方は子猫のように小さくなって・・・つまりは縮んでいました。
しぇまいのっ!(狭いの!) なんて、ひとことも言わず、(言えず)
お隣のおじさまが(年齢的に言って、おじさま・・・ですよねぇ、私はおばさま)の足が私に、くっつかないよう更に右に逸れながら・・・・そして更に私用の座席は狭くなり・・・・
最後は肩がゴリゴリに凝ってしまい
「でも、お相撲さん、迫力満点で、面白かった!」
「うん、また、ここへ来たい」
「すずさん、私、トイレへ行きたい」
出口とトイレへ人が大移動して押し寄せる瞬間に、トイレか・・・・。
無事に戻ってこれるだろうか? という不安が脳裏をよぎる・・・・。
すずは、思い出していた・・・・・。
初恋の君との人生初の まさしく初デートの日を・・・・・。
「あたし、トイレへ行ってくる」
「行き方、分かる?」
「ううん。わかんない」
「ここを真っすぐ行って、つきあたりを左に曲がって、まっすぐいったら、次に右に曲がって・・・・・エトセトラ、エトセトラ・・・・・分かった?」
「うっ・・・・うん。多分、大丈夫だと思う」
初恋の君の詳しい説明のお陰で、すずは、無事に女子トイレに辿り着いた。
手を洗い、普段は殆ど見ない鏡を覗く。
「ちょっと、いや~ん! 髪がこんなに・・・・乱れてるぅ!」
軽いショックを受けながら乱れた髪を整える。
ダメダメ、こんなじゃ、ダメ。彼の前へ行けないわっ。
鏡の前で更に くせっ毛を直そうとする、すず。 でも、まてよ!? いつも私はこんな髪で彼に会っているではないかいな。だって同じ職場なんだもん。(共に学生バイト生よっ♪) 職場では、もっと も~っと髪が乱れてるってばぁ。今更なにさぁ~!
何故か、急に開き直る、すず。そうだ! その通り! 今更乱れた髪の毛が何よぉ~。
しまったわ。もう、こんな時間じゃない! トイレへ来てから軽く10分は経過している。
「遅いなぁ。何やってんだ、あいつ?」
その頃、いとしのエリー いや、圭介くんは、一人寂しく すずがトイレから戻るのを待っていた・・・・と思われる。あたしゃ知らない。だって、トイレにいたら、圭介君の姿なんて、見えないんだもの。 いくら熱烈に恋しても透視能力なんて、授からないのよ、あたし。
行けない、早く戻らなきゃ!
すずはトイレの外へ出た。 確か、右左・・・・えっと。真っすぐ進んで右だっけ? この部屋だわっ、きっと。
すずがドアを開けると、そこには見知らぬ男女が寄り添うようにソファに腰かけていた。
「あら、違った! ごめんなさい。間違えました!」
バタン!
ちょっと激しくドアを閉めすぎてしまったと反省するより恥ずかしい。
「ここかな・・・・」
今度こそは大丈夫だろう。
すずは、ドアをそーーーっと開けてみる。
そぉ~っと・・・・・覗くと、男女4名が驚いたようにすずの顔を眺めている。そのうち、二名は大きな口をあんぐりと開けていた。
「しっ・・・失礼しました!」
どれもこれも同じ作りの部屋。 しかも全く同じドア。まるで迷路じゃないの!
これじゃ、迷子になっても致し方ない。
今度こそ…・3つ目のドアを開ける。今回も、そーーーっと・・・・・。
そこには、男女がぴったりとくっついて座っていた。
「おっ・・・・お邪魔しましたっ」
そう、二人は両手にしっかりと・・・・
それぞれにマイクを握り締めて・・・・!
初デートでラブホテルにでも来たと勘違いした あなた!
残念でしたぁ。
ここはカラオケボックスでした。
(っていうか50年生きてきて、一度もラブホテルなんて行ったことないからねっ! いくつもりもないし)
でもでも。これは迷子。絶対、迷子。
トイレへ行って帰れなくなってしまったすず。さあ、どうする?
あ、そうだわっ!
すずは、階段を駆け降りた。
受付嬢がにっこりとほほ笑む。
「あのぉ・・・あたし、トイレへ行ったらどの部屋か分からなくなってしまって。それで、部屋番号を教えてくれますか?」
受付嬢に笑われることを覚悟していたすずだったが、彼女は ただ、
「お名前は?」
と、聞いた。
名前・・・ですか。 あたしの名前は鈴木鈴子。でも、あたしの名前で受付してないのよねぇ。「彼の」名前で受付しているの。
すずは、この瞬間をドキドキしながら迎えた。
「えっと・・・・。名前は圭介です。 いや、違った。 桑田です。桑田すずこ」
きゃ~やったぁ~♪
この瞬間、すずは、大好きな桑田圭介くんの 嫁になったのだわ~い
彼の名字を名乗るなんて・・・・こんなチャンスは二度と来ないわ。
実際、こなかった。失恋しちゃったのだから。でも、初恋は実らないっていうし、いいの。
すずは階段を駆け上り、スキップしながら部屋番号を探した。
「776・・・・777 あった!」
ドアを開けると待ちくたびれたように圭介君くんが座っていた。
「ごめんなさいね。トイレへ行ったら、ドアがみんな同じだから戻ってこれなくて…迷子になってしまったの」
一瞬、しーーーんと静まり返る。
「多分、そうだろうと思った・・・・」
すずが居ない間、一人で何か歌っているのかと思ったが。
何も歌わなかったようである。
圭介くんは、あらかじめ曲をセットしていたようで、すずが座るのを確かめてから、曲を流し始めた。
曲目は「いとしのエリー」だった・・・・・・といえば、いいのだろうが、そうではない。
今回は、すずにとっての 『青春』の一曲をお届けしよう。
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タッチ Touch 主題歌 『青春』 岩崎良美 Full Version