朝から雨。
気温は高めだが、風が強い日だ。
今日は日曜日。牛乳屋さん(いつも二人来る)が休みなので、デイリーの荷出し要員として、女性スタッフ3人が出勤。
今朝は、矢木さん、岸辺さん、そして私。
店長はお休みで、副店長は午後出勤の為、ハマグリ君も朝、出勤してきた。
他に、酒担当の川石さん、パン、飲料水担当のカトちゃんも出勤。
社員の西村チーフが今日のボス。
あわせて計7名が朝一番の8時には売り場にそろった。 朝から7人も そろうのは、毎週日曜日だけである。
私はヨーグルトを・・・
岸辺さんは牛乳を・・・
矢木さんはデザートを・・・
荷出ししている最中、西村チーフの声が店内放送で流れた。
「
みなさん、おはようございます!朝の開店準備で忙しいかとは思いますが、耳だけ傾けて下さい」
ここで、まず、矢木さんがジェスチャー入りで、コメントした。 すなわち、顔を斜めに傾け、片足でケンケンしてみせたのである。 「耳だけ傾けたら、こんなに
なるわ」
ち・・・違いますよ、矢木さん。そういう意味じゃ・・・。
ラジオ体操ではありませんから。
それでも、矢木さんの格好がおかしかったので、私も岸辺さんも笑った。
「
そろそろクリスマスです。当店では、毎年恒例のクリスマスケーキ
予約販売を致します・・・」
ここまで聞いて、私は矢木さんに思わず尋ねた。
「これって、もしかして、夏のウナギと一緒で、強制的にスタッフ全員買わされるやつですか?
」
「そうなんよ。それと、もう一つ、あるんよ。精肉のクリスマス用のチキン!
一応、希望者だけ・・・って事になってるけどね。それが、ちゃんと申し込んだ人は名前を書くようになってるから、誰が頼まなかったか、すぐバレる訳。
」
「・・・
」
「
・・・申し込みは、ケーキ担当の・・カト君まで・・・」
「ぎゃははっ・・・!!」
ここで、矢木さん、岸辺さん、私の三人は、どっと笑った。
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何
ケーキ担当、カト君
いつから、そんな担当ができたのだろう。
きっと、たった今!
私達の笑い声が西村チーフにも聞こえたのか、まるで、慌てて訂正するかのように、チーフは付け足した。
「
申し込みは、グロッサリー担当者まで・・・」
ええーっ
。結局は、我々みんな めでたく、クリスマスケーキの申し込み受付係に昇進
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したのである。
おめでとうございます!!!
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早朝は眠い。何かと、まだ神経が眠っている。 そんな時に、このように愉快な店内放送を聞くと、目が覚める。
そして・・・9時開店。
雨のせいか、ワオンの影響か、開店後、お客様は まばらだ。
日曜日の朝というのは、いつも、こんな風ではあるが。
9時15分・・・。 西村チーフは、今から大切なミーテイングがあるから・・・と、グロッサリー担当者全員をバックへ集めるように!と カトちゃんと、矢木さんに指示を出した。
一人を除き、6人全員が集まった。
ケーキの申し込み用パンフレットを眺めながら、どれが美味しい、まずいと、昨年得た知識を元に意見交換している。
私は何も分からないので(昨年ここで働いてませんでしたから)、ただ、ふむふむ・・・と、頷く。
「遅いね、ハマグリ君。何処へ行ったんやろか?」
皆、ケーキの事を話し合いながら、ハマグリ君がバックへ来るのを待っていた。
「もしかしたら、トイレかも・・・」
そういうと、カトちゃんはトイレへ様子を見に行き、戻ってきた。
「やっぱり、トイレです!!」
全員の視線は、ハマグリ君が居るトイレへと注がれた。
「今朝の店内放送、面白かったで~す
。ケーキ担当、カト君って とこ、私、笑いましたよ。店長の店内放送は面白くはないから・・・」
「
それは、どうも、ありがとうございます
」 (店長が聞いたら怒るかも・・・)
もっとも、店長に「朝の店内放送は、もっと面白くしてください!」
などと、リスエストしたとしても、きっと、こう返されるだろう。
「
ここは、吉本ではありません!店内放送を面白くする必要などないのです!」
・・・なんて。
それにしても、遅いな、ハマグリ君・・・。
「
名指しで呼び出そうかね・・・」
と言いながら、西村チーフは とうとうマイク
を手に取った。
「開店前だったらね・・・。業務連絡、グロッサリーのハマグリ君、早く便所から出て下さい!って、店内放送で 言えるのに・・・」
私がそういうと、西村チーフとカトちゃんは「ぶっ
」 と、吹き出した。
そして、実際には、チーフによって、
「
業務連絡。グロッサリーのハマグリ君、10番まで!」
と、呼び出されたのである。
トイレに居ると知っているのに・・・
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「長いね、きっと大の方よ!
」
岸辺さんは確信を持って言った。
そこへ、気まずそうに
ハマグリ君がすたすたと、歩いてきた。
「さってと、これで全員、そろいましたね。それでは、皆さん、出かけましょう
」
西村チーフを筆頭に、私達7名は、列を作り、ぞろぞろと、プラットホームへ出て行った。
「こんな、全員で、出て行って、いいのかね・・・?」
誰かが、ボソッとつぶやくのが聞こえた。
まるで、グロッサリー御一行様
である。
「皆さん、テイータイム
です!川石さんの おごりです。ただし、いつもでは、ありません
日曜日で暇なので、特別です
」
今朝は、西村チーフの店内放送に始まり、同じく西村チーフ主導による、グロッサリー 御一行様プチ旅行で終わった。
そして、開店から約一時間経つ頃には・・・。
なんと、お客さまが・・・しかも、赤ちゃん連れから中年、高齢者まで幅広い層が来店中
だったのだ!
やはり、朝から笑うと福来たり・・・であった。 お見事、西村チーフ
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今日、学んだこと! 健康は、
朝の笑い
から!