今年も半分が終わりましたが、ここまでで、すでに100冊以上、読破しました。
新規の作家さんとの出会いが多かった今年度。今回も、お初の作家さんです。
ここ10年、いや、もっと…かな? 医療ドラマが大人気ですが、作家の桂修司さんも内科医。なので真実味がありますね。医療の裏側を見せてもらったようで…ただ、この小説の場合、ステルベンとは死神医師という意味で…😨 最初は患者の側に立った診療、治療計画をする理想的な医師だったのに、何がどうして… その原因となる事柄は、患者さん本人や、家族や… まぁ、色々ある訳ですが… たとえば、エイズと診断された20代男性の場合。親は政治家、本人はゲイで病名を親に隠したい。彼が亡くなった後、母親は死因を知ろうとするのですが、医師は本人と「病名は伏せる」と約束をしている… だから言えない。納得しない両親は弁護士をたて、訴えると言い出し…結局、保身のため病名を明かすこととなり… 等々。
ラストが衝撃でした。結論は出さず、まるでフランス映画…日本映画であれば、『万引き家族』のような終わり方。考えさせられる小説です。
今年 102冊~106冊
今回までコメント欄は閉じておきます~
同じ著者による『このミステリーがすごい』受賞作品。
『パンデミック・アイ 上・下巻』
松岡圭祐氏の歴史小説のようでもあり、ホラーでもある。勿論、多くの謎を含み、これは読ませます。明治維新後の北海道では、実際にこのような負の歴史もあったのだろうと… 特に明治政府に対し、正しいと思うことを「意見」しただけで、政治犯として捉えられ、北の大地の開拓に従事させられたり…しかも一日の労働時間は14時間越え。何百人という人が朽ち果て、そのまま埋められた…
ただ、物語は北見刑務所の土木工事を請け負った作業員が、骨を掘り当ててしまう場面から始まります~
現代と明治時代を行ったり来たり…
また一人、凄い作家を見つけたなぁと思ってしまいました。
もう一人、医者が作家になった人!
知念実希人 著 『ムゲンのi 上下巻』
ファンタジー色が強く、同じ医療モノでも、まるで違います。
何が現実で何が夢というか、幻想の世界なのか・・・
主人公はもちろん、読者である自分も、最後の最期まで騙されました。
ただ、犯人は、この人ではないか…と途中、思わせる場面があり、正解でしたが…
こちらは精神科医と 「眠りの森の患者さんたち」 そして、主人公自身が過去の辛い体験と向き合い、立ち直っていく過程の物語…でした。