日々のあれこれ

現在は仕事に関わること以外の日々の「あれこれ」を綴っております♪
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チッチと子

2012-09-24 18:50:27 | 読書

 2日前に読み終えた本、『5年3組リョウタ組』に引き続き、石田衣良さんの小説です。 我が家は毎日新聞を購読しているので、この小説は日曜版の連載で週に一度、読んでいました。 4年前に妻を亡くした作家と一人息子、カケルの物語。 大きなヒット作には恵まれずとも、編集者や出版社に恵まれ、年に2冊の小説を発表し、10年間 細々と専業作家生活を続けているチッチ。(主人公である父は、息子にチッチと呼ばれている) 原稿料&印税を合わせて年収450万くらいで、サラリーマンとさほど変わらない、という記述に思わず (幸せだなぁ…ん? これは独り事) 上を見ればキリがないものの、中間や下をみても、はやりキリがないもの。 まぁ、それはさておき、何といっても 突然の交通事故で亡くなった妻、カケルからみれば、ママッチの謎の死と面影がこの小説の中で最もひき込まれるところ。 生前、まるで自分の死を予感していたかのような、「自分がいなくなったあとの息子と夫の世界」を語っていたママッチ。 ママッチの死は事故だったのか、それとも自殺だったのか…。 直木賞候補を逃した後、チッチの頭から、ある日の妻のシーンが消えなくなりもがき苦しむ日々。 そして2度目の直木賞候補。その作品のタイトルは、「チッチと子」 小説の中で小説が生まれる過程を描く、というスリリングな手法。(『ソフィーの世界』を思い出させます!!) 

 小学生なりに大人の階段をのぼりながら 独り言をつぶやく父を気遣い、 「居なくなる(亡くなる)前のママッチそっくりだよ」 と心配するカケル。 直木賞候補に再び上がった後に、子供部屋から見つかった一枚のDVD…そこには 「10年後のチッチとカケルへ」と手書きで書かれていた。 息子と二人で抱き合うように見るママッチからの映像メッセージ。 何故か新聞連載の時、感動のラストを見逃していた私は、約1年半ぶりに涙の結末をしることになり、じーんときたのでした…・。 

 誰でも一冊の本に救われた思いがした経験を持ったことがある筈、とは、本作品中のチッチの言葉。 素直に うん、あるよね…と つぶやいて本を閉じたのでした。 さて、次はどの本を読もうか…な。

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