つれづれ写真ノート

   カメラと写真 そして世の中の色々なこと---

EOS 6D 試し撮り・なんばパークス

2013年02月18日 | カメラ

このごろ寒の戻りで寒いですね。

雪や雨が降って気分が滅入るし… カメラの新製品も出ないし… と、文字通り、つれづれなるままにこれまで撮った画像を見ていたら、キヤノンEOS 6D の試し撮りをしたまま処理していなかった画像があるのを思い出しました。

EOS 6Dを買って最初に撮った、大阪・なんばパークスの写真です。

キットレンズのEF24-105mm F4L IS USMの描写も含めてチェックしてみました。

 

すべて画質はRAW、DPPで現像、デジタルオプティマイザ適用、シャープネス「2」。

明るさ、色調、コントラストは変えず、トリミングなし(部分の100%拡大画像除く)。

通常の画像処理、それもかなり控えめにしたので、カメラ・レンズの本来の画質に近いと思います。

 

ダイナミックレンジ

絞り優先AE (F4 、1/1600秒)  ISO1600  露出補正: +1  ホワイトバランス:太陽光     ピクチャースタイル: スタンダード

(暗めの地上部分を撮影していて、急に空へ向けたので変な露出データになってしまいました。普通は絞りF8 、ISO400程度かと思います。)

 

ダイナミックレンジは実際に写してみないと実感できないもの。このような明暗の差がある被写体でよくわかります。

右下の暗部をピクセル100%で切り出したのが下の画像。

非常に暗い部分ですが、なんとか見えます。

 

ではハイライト部分はというと、

上方の空は完全に白飛びですが、ビルのディテールは一応残っています。

 

さすがにフルサイズなので諧調はありますね。この程度ならいいか、とも思いますが、ぜいたくなことを言えば、もう少しダイナミックレンジが広く、明部暗部とも描写がしっかりしていればなお良かったですが…

ダイナミックレンジは、ソニーや富士のセンサーのほうが広いというレビューもあります。

詳しく比較していないので何とも言えません。ただ、ダイナミックレンジの広さを求めていくと、結局中判カメラまで行ってしまうような気もします。

 

なんばパークス最上階に上がってみました。

絞り優先AE (F8 、1/200秒)  ISO200  露出補正: +1  ホワイトバランス:太陽光   ピクチャースタイル: スタンダード

 

これも明暗の差が大きい被写体。

中央、はるか遠くに見えるビル群を100%に拡大してみます。

これは比較的ディテールがよく出ていると思います。解像感も良いですね。

 

解像感

絞り優先AE (F8 、1/25秒)  ISO200  露出補正: 0  ホワイトバランス:オート   ピクチャースタイル: スタンダード

 

なんばパークスはグランドキャニオンのような峡谷のイメージ。

下の通りは暗く、上の方の日が当たっている部分の描写は飛び気味で、ちょっと難しい写真です。真ん中あたりの中間調はどうでしょうか、100%にアップしてみます。

メリハリはありませんが、解像感は悪くありません。諧調も素直で、被写体なりの描写のようです。

そりゃあ、ニコンD800などと比べたら解像感では見劣りするでしょうが…

 

絞り優先AE (F4 、1/60秒)  ISO800  露出補正: 0  ホワイトバランス:オート   ピクチャースタイル: スタンダード

ショッピング街のカフェ。落ち着いたムードの暗めの照明です。

 

中央の100%画像。渋い、なかなかいい調子。わずかにノイズを感じます(ノイズリダクションはかけていません)。

 

絞り優先AE (F8 、1/80秒)  ISO200  露出補正: +2/3  ホワイトバランス:オート   ピクチャースタイル: スタンダード

休憩スペースのテーブルとイスです。

100%画像。シャープな金属の質感。

 

なんばパークスは、プロ野球の元南海ホークス本拠地・大阪球場があったところ。昔の優勝カップや往年の名選手のユニフォームなどを展示したメモリアルギャラリーがあります。

ここでも試し撮りしてみました。

絞り優先AE (F5.6 、1/250秒)  ISO200  露出補正: 0  ホワイトバランス:オート   ピクチャースタイル: スタンダード

 

100%画像。

 

こちらは優勝カップ。

絞り優先AE (F4 、1/1600秒)  ISO200  露出補正: 0  ホワイトバランス:オート   ピクチャースタイル: スタンダード

西日を浴びて、ノスタルジックですね。

100%画像。ガラス越しのためコントラストが弱く、布地の白い部分が少しハレーションを起こしたような感じになっています。昔を思い出す、こんな感じの被写体にはこれでいいかもしれません。

 

AF、ライブビュー

普通のAF(位相差検出方式)と、ライブビューのAF(コントラスト検出方式)を比べてみました。

絞り優先AE (F5.6 、1/160秒)  ISO200  露出補正: 0  ホワイトバランス:オート   ピクチャースタイル: スタンダード

普通のAF(位相差検出方式)。中央をアップしてみると、

100%画像。

 

こちらはライブビューのAF(コントラスト検出方式)。ちょっとアングルが違いますが…

やはり中央をアップにします。

100%画像。

 

どうでしょうか。撮影枚数が少ないので、はっきりと断定できませんが、ライブビューのAF(コントラスト検出方式)のほうがAF精度が良いようです。

ま、これは一般に言われていることでもあります。なので、前のカメラでもそうですが、最近はわざとファインダーをのぞかず、ライブビューで撮ることも多くなりました。

しかしライブビューのAFはかなり遅いです。もう少し早くしてほしいですね。

 

色乗りの良さは…

絞り優先AE (F4 、1/60秒)  ISO400  露出補正: -1/3  ホワイトバランス:オート   ピクチャースタイル: スタンダード

花屋さんの店頭。

EF24-105mm F4L IS USMは色乗りの良いレンズという評判も聞きます。確かにそんな気もします。

 

点光源のボケ

これもレンズについてですが、ボケの良し悪しは点光源を写すと良くわかります。

夕暮れ時になったので試してみました。

絞り優先AE (F4 、1/40秒)  ISO400  露出補正: -1/3  ホワイトバランス:オート   ピクチャースタイル: スタンダード

フルサイズらしく、よくボケて一見きれいです。しかしアップにしてみると…

100%画像。

ボケの輪郭がはっきりしています。いわゆる「二線ボケ」といわれる、美しくないボケ。しかもボケのなかに渦巻き状の「年輪ボケ」がうっすらとわかります。

 

もう1枚のカット。

絞り優先AE (F4 、1/30秒)  ISO400  露出補正: +1/3  ホワイトバランス:オート   ピクチャースタイル: スタンダード

これも拡大して見ると…

やはり「二線ボケ」「年輪ボケ」ですね。

 

絞り優先AE (F4 、1/40秒)  ISO1600  露出補正: -1/3  ホワイトバランス:オート   ピクチャースタイル: スタンダード

後方の光のボケはにぎやかというか、ややうるさい感じ。

 

絞り優先AE (F4 、1/100秒)  ISO1600  露出補正: +2/3  ホワイトバランス:オート   ピクチャースタイル: スタンダード

 

EOS 6D自体は好感度に強く、暗所撮影向きなのですが、EF24-105mm F4L IS USMは、光のボケぐあいに限ってはあまり美しいとは言えません。

夜景には別のレンズを使うべきか… 

でもボケの美しいレンズは少ないし、高価なものが多いですからね…


「Photoshop 1.0」ソースコード公開

2013年02月18日 | カメラ

日頃、画像編集でお世話になっているフォトレタッチソフト「Photoshop」。その初期のバージョンのソースコードが公開されています。

Computer History Museum(コンピューター歴史博物館)が2月14日から、Adobe Systemsの許可を得て公開したもの。バージョンは「Photoshop 1.0.1」。

コンピューターソフトのソースコードといえば、とても大切な極秘情報のはず。それを公開するというのは驚きです。

もっとも画像処理については、基本的な機能をそなえた無料ソフトがネットでダウンロードできる現在、一昔前のソースコードを公開しても問題ないのでしょう。もはや歴史遺産という位置づけですね。

 

ダウンロードしてみた

マイナビニュースに、ソフトが開発された歴史などが詳しく出ています。

それによると、

『同ソフトウェアの歴史は、1987年に当時ミシガン大学の学生だったThomas Knoll(トーマス・ノール)氏がMacintosh Plus向けに画像を扱うソフトウェアを開発したところから話は始まる。
 このソフトウェアに興味を覚えたのが、特殊効果および視覚効果スタジオのILM(Industrial Light & Magic)の社員だった弟のJohn Knoll(ジョン・ノール)氏。兄弟は協力し合って「Display」と呼ばれるソフトウェアを作り上げた。完成度を高めると同時に名称を「Photoshop」に改称し、後にApple Computer(現Apple)とAdobe Systemsの社員の手により、最初のバーションとなる「Photoshop 1.0」が1990年にリリースされた。』

とあります。

 ソースコードは計12万8,000行、179ファイルあるそうです(マイナビニュースによる)。

 Computer History Museumのサイトで、使用許諾契約内容に同意すれば、誰でもダウンロードできます。ただし、非商業利用に限定。

ということで、遊びのつもりでダウンロードしてみました。12万8,000行といえば、すごい量に思えますが、ダウンロードはあっという間。

一番容量の多そうな「Photoshop」(33KB)というファイルを開いたのが下の画像。(ほとんどのファイルは「メモ帳」で簡単に開けます。)

これがソースコード… もちろんチンプンカンプン。

分かるのは冒頭のライセンス表記ぐらい。プログラマーなら読めるんでしょうね。うらやましいです。

 

なんでも、専門家によると、よく構成された明晰なソースコードだそうです。

Computer History Museumのサイトでは、IBM のソフトウェアエンジニアリング担当主任研究員の Grady Booch 氏が面白いコメントを寄せています。

「Photoshop 1.0のソースコードを構成するファイルを開きながら、私はツタンカーメン王の墓を初めて開けたハワード・カーターのような気持ちになった。どんな驚きが私を待ち受けているのだろうか、と。」

コメントの詳しい内容は、アセンブリ言語とか専門用語のオンパレード。わからないので読み飛ばしましたが、結論としては、

「私自身、こんなものを書きたいと熱望するたぐいのコードだ」でした。

 

懐かしいMacのあれこれ

同サイトでは操作画面のスクリーンショットもいくつか載っています。

昔はMac を、「OS 8」の時代まで使っていたので、懐かしい画面です。

こういうソフトのデザインも一種の“レトロ”になったのでしょうね。

 

そうそう、Mac 特有のクラッシュに悩まされたことも思い出しました。

新しく機能拡張するたびに、だいたい決まったように「爆弾マーク」が出て動かなくなるんですよね。

 

システムエラーが起きました。
エラータイプ ××

 

こんなぐあいです。憎らしくてね…

そのあと、大体半日ぐらい、エラーの原因を突き止めるのに悪戦苦闘の日々でした。

(今のMac はOSがすっかり安定して、こんなものは出現しないそうです。念のため。)

 

そうした昔のMac の不安定さにめげず、Macの雑誌の記事をもとに、いろいろ挑戦していましたね。

Netscape(ネットスケープ)という初期のウェブブラウザの英語版の新バージョンが出ると、さっそくResEditというリソース・エディタで、フォントを日本語(Osakaフォント)に替え、日本語表記にしてみたり… 

マザーボードをCPUの新しいのに換装したり(昔のMac用マザーボードは、中古品がソフマップなどで売られていました)…

なにしろ若かったので、トレンドの「先頭列車に乗っている」気分でした。

あのころ本格的にプログラミングを学んでいたら、今日のように、Photoshopのソースコードという素晴らしい宝物に巡り会えたときに、値打ちが本当に分かったのになァ… 

 

と、しみじみ思い返しています。

 

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