4月下旬から発売されるキヤノンのコンパクトデジタルカメラ「PowerShot N」(写真は「CP+ 2013」で)。
ほぼ真四角の外観とともに、リングシャッターもユニークですが、一番興味をひかれたのは、1回のシャッターでオリジナル画像1枚のほかに、多彩な効果を加えた5枚の画像が一瞬にして出来上がる「クリエイティブショット」。
「CP+ 2013」のキヤノンブースで試した時は「お、これいいじゃん」という軽い感じで気に入ったのですが、あとで調べてみて、ただカラーフィルターをかけるという単純なのものではないことを知って、感心しました。
キヤノンのスペシャルサイトを見ると良くわかりますが、人物や風景に応じてカメラが考え、「人物をアップにしてみました」「大胆に余白を撮ってみました」「トイカメラ風に周囲をぼかしては?」「人物を傾けるのはどう?」とおすすめの効果を提案(そういう言葉が出るわけではありませんが)するのです。
これに加えて、写真のテーマに合いそうな25種類のカラーフィルターをかけて出してくれます。
構図から何から全部変えてアドバイスしてくれるわけで、まるでプロの写真家がちょっとしたヒントをくれるようなもの。
何でそんなことがカメラにできるかというと、キヤノンの蓄積したノウハウをもとにしたアルゴリズムがあって、これがシーンを解析し処理しているのだそうです。いや、これは新しい発想で、しかもすごい技術です。
キヤノンの実写例を載せたギャラリーを見てみましたが、センスのいい効果をかけた写真が並んでいます。
「SNSに投稿した際に“いいね!”がもらえるような写真が手軽に撮れる」が、このカメラのうたい文句ですが、確かに「いいね!」と思います。
Photosopで作ったら、どれぐらいの手間と時間がかかるでしょうね(私など、作り方そのものに自信がなくて)。
日経トレンディネットに『PowerShot Nが狙う、“想定外の良い写真”が撮れる新機能の実力』という記事が出ていて、これも参考になります。
記事の締めくくりでは、『デジタルカメラは、これまで「いかに見た目に忠実できれいな写真が撮れるか」を目標に進化を続けてきた。撮像素子や画像処理エンジンの性能向上、手ぶれ補正機構の強化、カメラが自動的に最適な撮影設定にするシーン認識機能の改良などがそうだ。だが、こうした技術が成熟の域に達し、どのような場面でもワンタッチできれいな写真が撮影できるようになったことで、新たな方向への進化が求められるのは間違いない。』と書かれています。
こういうカメラは若い人の発想に違いない、と思っていましたが、その開発者にインタビューした記事もありました。
日経ビジネスONLINEの『あり?なし? 「勝手にいい写真を撮るカメラ」 「PowerShot N」の企画者、キヤノンICP第三開発センターの佐藤麻美さんに聞く』
がそれ。
そうか、開発のキーマンは女性だったんだ…
やっぱりね。軽いケータイを作り出したのも女性だったしなァ。
それはそうと、この「PowerShot N」はキヤノンオンラインショップ限定販売。その理由がよくわかりませんね。
カメラ店でも販売すればいいのに… と思います。