頭は使わないと。使わないと使えなくなる。何となくそう言われ、そう言ってきたような気がしています。特に、認知症の予防には頭を使うことが推奨され、いろいろな頭の体操法が開発されています。ゲームもかなりはやりましたね。この刺激が少なくなると脳の学習機能が低下することに関しては、実はそのメカニズムは分かっていませんでした。そのメカニズムが実験的に証明されたそうです。外部からの刺激が乏しくなると、学習機能に関わる遺伝子に悪影響が及び、学習機能が落ちることが実験的に確かめられたというのです(毎日jp)。神経細胞間で記憶や学習機能に関わるたんぱく質「NMDA」を運ぶ分子「KIF17」を発見し、この分子に着目。この分子ができないマウスを人工的に作ったところ、NMDAを主に構成する「NR2B」というたんぱく質を作る遺伝子の働きが低下することが明らかになったそうです。また、音が鳴ると足に電気刺激を与え、その後に音だけを聞かせる実験を行うと、NR2B遺伝子の働きが落ちたマウスの場合、音に反応して足を縮める行動を取る割合が通常のマウスの半分にとどまることが判明したそうです。学習を司る脳内の「海馬」でのNR2Bの量も、通常のマウスの3割しかなかったそうです。具体的に分子の働きまで解明できたので、薬剤の開発も可能になるかもしれませんね。
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