ヒトやサルなどの哺乳類を対象とした複数の研究では、赤ちゃんの性別によって母乳の成分や量が異なることが分かっているそうです。男児が飲む母乳には脂質またはタンパク質が多く含まれ、エネルギー源が豊富なのに対し、女児の母乳は量が多いということだそうです(AFPBB NEWS)。違いが生じる理由については、さまざまな説があるそうです。例えばアカゲザルでは、母親から社会的地位を受け継ぐ雌の子どもに与えられる母乳には、より多くのカルシウムが含まれる傾向があるそうです。娘により多くの母乳を与えることで成長を促進させ、若い時期に生殖を始められるよう適応している可能性があるそうです。これに対して雄の場合、どれほど多く子孫を残せるかはどれほど多くの雌を勝ち取れるかにのみ依存しているため、雌ほど早く生殖能力を獲得する必要はないそうです。また雄のサルは、子どもだけで遊ぶ時間が長く、雌よりも母乳を飲む時間が短いため、エネルギー源がよりつまった母乳を必要とするというのです。ヒトの母乳にも同様の違いが見られるそうですが、その理由ははっきりとしていないそうです。ただ、赤ちゃんが子宮の中にいる時点でこの準備が行われていることを示す証拠はあるそうです。子ウシと引き離された後(子ウシは通常、出産から数時間後に母ウシから引き離される)のウシの母乳に、胎児の性別が長期間にわたり影響を与えるとした研究結果が発表されたそうです。149万頭のウシを対象に、2回の授乳期間(各305日間)の母乳の量を調べたところ、雌のみを出産したウシの母乳量は、雄のみを出産したウシと比べて平均445キロ多かったというのです。ただ、子の性別によるタンパク質や脂質の量の違いは見られなかったそうです。
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