健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

肥満遺伝子

2014-03-20 18:08:30 | 研究
これまで見つかった中で最も重要な「肥満遺伝子」を特定したとする研究論文が発表されたそうです(AFPBB NEW)。増え続ける肥満に対抗する薬剤の開発が可能になるかもしれないそうです。その遺伝子とは「IRX3」。この遺伝子を持たないように繁殖させられたマウスは、同遺伝子を持つマウスと比べて体重が3分の1近く軽かったというのです。マウスにおけるIRX3と同等の遺伝子はヒトにも存在しているそうですので、この遺伝子の機能を調べることで、ある人が別の人よりも肥満になりやすい傾向があることを説明できるかもしれないというのです。これまでの研究では、「FTO」と呼ばれる遺伝子の変異と体脂肪余剰との間に関連性が発見されていたそうです。ですがFTOの変異がFTOの機能を変化させていることは明らかではなかったそうです。FTOの変異は、FTO遺伝子自体に作用するのではなく、全く別の遺伝子IRX3の反応を誘発し、脳内にIRX3タンパク質が過剰に生産されていたというのです。これが、代謝と食欲の調整をつかさどる脳の視床下部に影響を及ぼしたと考えられるそうです。マウスとゼブラフィッシュの胚、成体のマウスの脳、ヒトの脳細胞を含む細胞を用いて、IRX3とFTOの相互作用を分析したところ、マウスの場合IRX3を持たないマウスは、IRX3を持っているマウスと同量の食事と運動をしたにもかかわらず、体重が約30%軽かったそうです。
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