心臓発作による死亡率が男性よりも女性の方が高いのは、女性が心臓病の症状を訴えても不安障害と誤診されてしまうことが多く、救命する上で非常に重要な初期治療の機会を逃しているためだとする研究結果が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。急性冠症候群の死亡率にみられる男女差を解明するために、カナダの病院24施設、米国の1施設、スイスの1施設のいずれかに搬送された18~55歳の患者1123人を対象にアンケートを実施し、その回答をまとめたところ、女性回答者の多くが低所得層で、男性よりも糖尿病や高血圧である割合が高く、心臓疾患の家族歴も多かった上、不安やうつのレベルも顕著に高かったそうです。さらに、女性に比べて男性の方が、心電図検査や血栓予防となる線維素溶解の処置をより早い段階で受けていることが分かったそうです。心臓発作は、迅速に処置すれば心筋の損傷を完全に、あるいは部分的に防ぐことが可能で、患者の生命が救われることも。緊急救命室に搬送されてから心電図検査までと、線維素溶解処置を受けるまでの平均時間をみると、男性がそれぞれ15分と28分だったのに対し、女性では21分と36分かかっていたそうです。このような男女差が存在することの主な原因として、女性の不安レベルがより高いことに着目。実際、非心臓性胸痛で緊急救命室に搬送される不安障害の患者は女性が多く、さらに急性冠症候群の有病率を若年層で比較すると、男性より女性の方が低いそうです。
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