妊婦による喫煙は、発育中の胎児のDNAに科学的な変化を生じさせ、子どもを危険にさらす恐れがあるとの研究論文がAmerican Journal of Human Geneticsに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。この結果は、6000組以上の母子を対象とする大規模調査に基づく結果だそうです。妊婦の喫煙をめぐっては、死産のほか、新生児に先天的な口蓋裂、肺病、神経行動学的な問題などの原因となる恐れがあるため、医師らは長年、妊娠中の喫煙を避けるよう警告されています。こうした警告にもかかわらず、米国では妊娠中の女性約12%が喫煙を続けるそうです。タバコの煙に含まれる化学物質は、子どもを守る胎盤を通過して胎児へと到達。研究チームは、喫煙による胎児のDNAの変化がどのような仕組みで起きるのかを調べるため、小規模な先行研究13件のメタ分析を実施。これらの先行研究の一部では、「メチル化」としても知られるDNAの化学的変化と喫煙との関連性が示唆されていたそうです。メタ分析で対象となった新生児6685人のうちの約13%は、妊娠中に日常的に喫煙していた母親から生まれた子どもだったそうで、妊娠中に時折喫煙していたか、妊娠初期に禁煙していた母親を持つ子どもは同25%だったそうです。研究チームは、日常的な喫煙者のグループでDNAが化学的に変化した箇所を6073箇所を特定。非喫煙者の母親を持つ新生児のものと異なっていることを確認したそうです。多くは肺や神経系の発達、喫煙に関連するがん、口唇裂や口蓋裂などの出生異常などに関連する遺伝子だったそうです。これらのDNAの変化は、出産後に採取された臍帯血のサンプルで確認。母親が妊娠中に喫煙した頻度が低いほど、この変化がより不明確だったそうです。また、妊娠中に喫煙していた母親を持つ、より年長の(平均年齢6歳の)子ども数百人のグループでも、一部のDNAの変化が依然として明確に残っていることが、別の分析で明らかになっているそうです。
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