１つでいいのか、2つがいいのか

今年のプロ野球で、「プロ野球の発展にもっとも貢献したと思われる監督や選手」に対して贈られる「正力賞」に、ＤｅＮＡの三浦監督が選ばれた。

う～ん、何だかちょっと違和感がある。

まあ、確かにクライマックスシリーズ（ＣＳ）と日本シリーズのＤｅＮＡは強かった。

でも、ペナントレースでは、貯金２つで首位巨人とは８ゲーム差の３位だぞ。

しかも、優勝を争った結果の３位ではなく、広島カープの歴史的大失速のおかげで棚ボタの３位なわけだ。

それがなければ４位だったわけで、これを監督の手腕というにはちょっと無理がある。

ＣＳとか日本シリーズとかいうのは、勢いというか、チーム全体が頑張った結果であって、三浦監督の采配が特に目立ったわけではない。

まあ、３連覇した時の広島カープが証明しているように、「監督で負けたゲーム」はあるけど、「監督で勝ったゲーム」はないと思うわけだ。

だったら、初采配ながらチームを見事優勝に導いた巨人・阿部監督や、パリーグを圧倒的な力で制覇したソフトバンク・小久保監督の方が相応しいような気がする。

当然のことながら、選考委員会でも紛糾したようで、最終的には王貞治氏の「勝負の世界は勝たなきゃいけないってことが鉄則」ということで片が付いたようだ。

だけど、王さんの話が正論とするならば、余計に「ペナントレースでは勝っていない」三浦監督を選ぶのはどうなの？と思うわけだ。

ＣＳや日本シリーズは監督の采配はあまり関係なく、勢いだけでも勝てるけど、ペナントレースでは勢いだけでは勝てないし、監督のビジョンが大きくものを言うからだ。

だいたい、ペナントレース中にＣＳ・日本シリーズのことを考えて采配している監督なんていないだろうに。

ところで、この選考委員会の場で、元Ｖ９戦士で現在はＤｅＮＡの役員をやっている高田繁氏が面白いことを言ったそうだ。

「ＣＳのファイナルステージで優勝チームと勝ち上がりチームが５ゲーム差以上ある場合のアドバンテージを２勝にすべきだ」と言ったらしい。

https://news.yahoo.co.jp/articles/6eafd6a0d6aa60a6cd5c67396d8cd071b76e0b78

私も、以前から「アドバンテージ１つは少ない」と思っていたし、リーグを制覇したのだから、アドバンテージは３つあげてもいいと思っていた。

つまり、ＣＳファーストステージを勝ち上がったチームは、１つ負ければおしまい。

優勝チームは１つ勝てばいいわけで、逆に言えば「ここで４連敗するようでは、日本シリーズに出場する資格はない」とした方がいいと思っていた。

ただ、興行の問題もあるだろうし、ＣＳを盛り上げる意味でも、間を取って「アドバンテージは２勝」という案には賛成だ。

なお、これに反対するネットの意見は変なのが多い。

「２勝のアドバンテージ？そんな事するなら、クライマックス辞めればええやん」
　⇒何で？　１つが２つになったくらいで、何でＣＳをやめなきゃいけないの？

「じゃあそもそもなんのためのCSやねん。リーグ優勝するくらい強いチームなんだから1勝のアドバンテージと全試合ホームゲームで十分でしょ」
　⇒だから、せっかくペナントレースをぶっちぎって勝ったのに、それだけじゃ足りないんじゃないの？と言ってるんだよ。

いずれにしても、ペナントレース優勝の価値をもう少し重くしてもいいんじゃないの？と思うわけですよ。