はぶて虫のささやき

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(旧:はぶて日記)

映画評1056 ~ ブレット・トレイン

2022-09-03 | 映画評
今日は「ブレット・トレイン」を見ました。
久しぶりに映画館での鑑賞でした。

作家・伊坂幸太郎による「殺し屋シリーズ」の第2作「マリアビートル」を、「デッドプール2」のデビッド・リーチ監督がブラッド・ピット主演でハリウッド映画化したクライムアクション。
共演に「オーシャンズ8」のサンドラ・ブロック、「キック・アス」シリーズのアーロン・テイラー=ジョンソン、「ラスト サムライ」の真田広之ら豪華キャストが集結。

主演:ブラッド・ピット
共演:ジョーイ・キング、アーロン・テイラー=ジョンソン、ブライアン・タイリー・ヘンリー、アンドリュー・小路、真田広之
その他:マイケル・シャノン、バッド・バニー、ザジー・ビーツ、ローガン・ラーマン、福原かれん、サンドラ・ブロック、チャニング・テイタムなど


<ストーリー>
いつも事件に巻き込まれてしまう世界一運の悪い殺し屋レディバグ。そんな彼が請けた新たなミッションは、東京発の超高速列車でブリーフケースを盗んで次の駅で降りるという簡単な仕事のはずだった。盗みは成功したものの、身に覚えのない9人の殺し屋たちに列車内で次々と命を狙われ、降りるタイミングを完全に見失ってしまう。列車はレディバグを乗せたまま、世界最大の犯罪組織のボス、ホワイト・デスが待ち受ける終着点・京都へ向かって加速していく。


日本を舞台にしたアクション映画・・・というか、原作が日本人なので、当然と言えば当然だけど、とにかくこの映画で描かれる日本は、ものすごく変だ。

まあ、この手の映画で描かれる東京は、いつもチャイナタウンにしか見えないほど薄暗くて、人混みで溢れている、というのにはもう慣れた。

でも、映画全体に流れるトンデモなさは、一時変な意味で話題となったタランティーノ監督のあの「キル・ビル」に似ている。

タイトルの「ブレット・ライン」とは「弾丸列車」ということで、意味するものは日本の新幹線らしい。

しかし、変な日本描写の中でも、この新幹線描写は特にムチャクチャだ。

まず、主人公が新幹線(さすがにJRではなく、日本高速鉄道と書かれていたが)に乗るのが夕方というか、ほとんど夜だ。

そして、東京発京都行きという中途半端な電車であるのはまだいいとしても、その京都に到着するのが、何と明け方らしい。

劇中でも「そろそろ通勤ラッシュの時間帯だ」というセリフがあるのだけど、ということは・・・

この列車は、夜行列車なのか???

しかも、新幹線であれば、「のぞみ」で約2時間、「こだま」でさえ約3時間半で到着するという区間なのに、どう考えても10時間前後を費やして走っているという、「どんだけ鈍行やねん!」というほどの遅さ。

おそらく、この映画を作った連中は、新幹線というものを見たことも、もちろん乗ったこともないので、頭の中ではアメリカの大陸横断鉄道か、ヨーロッパのオリエント急行のような列車を思い浮かべているのではないか、と思えるほど、日本人には理解のできない展開となっている。

さらに言うと、京都駅が最終駅みたいな描写になっているのだけど、最後のシーンで電車の運転士がいなくなった列車が、終点の駅にあるような壁(?)を突き破って、街中を大暴走するというシーンが出てくる。

いや、たとえ京都で止まらなくても、そのまま博多(鹿児島?)までは線路が通じてるんですけど・・・

しかも、日本の電車システムをナメているのか、あんな高速列車が何の制御もなく走り続けることなんて、ゼッタイにあり得ないだろう。

たぶん、運行状況を随時システムで管理している、などという状況はアメリカにはないのだろうと思う。

ついでに言うと、発車した列車に乗り遅れた暗殺者の一人が、走って飛び乗った上に、最後尾の運転席の窓ガラスを拳で突き破るという、「そんなヤワな強度だったら飛び石とかあったらエラいことになるだろ」というトンデモない描写もあったが、この頃には、もう何が起こっても驚かないようにはなっていた。

そう言えば、途中で「走る線路を間違えた」とか言って、逆方向から走ってくる列車と正面衝突をする、という衝撃的なシーンが出てくるのだけど、なぜか自分たちの乗っている列車は前面が大破するくらいで、対向列車の方は蹴散らされて大破してしまう、という「はあ??」というシーンもあった。

新幹線ネタだけで、これだけ盛り上がってしまったのだけど、映画の展開としては、まあ「B級バカ映画」だと思えば、それほど腹は立たない!?

だって、「キル・ビル」はもっとヒドかったし。

まあ、冒頭で「双子の暗殺者」と言われるレモンとオレンジの二人が、1000万ドルの入ったアルミケースを、無造作に荷物置き場の一角に隠して(?)いたため、ブラッド・ピット演じる主人公にあっさりと見つけられるシーンでは、「そんな大事なものは、普通身近に置いとくだろ」と、ちょっとずっこけたけど・・・

ただ、ブラッド・ピットや真田広之の他、サンドラ・ブロックやチョイ役でチャニング・テイタムなどが出ていたのは、ちょっと嬉しかったかな。

それと、全体的に序盤の何の変哲もないようなフリを、後半になって随所で回収していく、という映画の撮り方・・・だけは、さすがにウマいなあとは思いました。

ということで、新幹線を始めとした日本の描き方はムチャクチャだったけど、年末でわざわざ取り上げて酷評するほどではないと思ったので、評価は「C」にしておきます。

いやホント、「キル・ビル」を思い出しましたよ。

ちなみに、この「キル・ビル」は、Part1を見た後「Part2なんてゼッタイに見ない」と誓って、実際見なかったほど、私の中でどうしようもない映画の代表作です。

でも、こういう映画を面白いと思う人もいるらしくて、結構高評価をしている人がいました。

人間ができてるよね。

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