偽遍路も中には

　散歩がてら、志度寺へ。

今日は二日。
お遍路は来ているか？と気になりつ。。。
白装束に身を包んだ人は二人。

一人は６０～から７０才と思える男性。
長い間、ベンチに座っていた。
焚火の火をじっと見ていた。足を引きずっている。草臥れているようだった。
もう一人は４０才代の女性。
小太りでせかせかとお参りをすます。先を急いでいるようだった。

何時もお遍路さんを見る時は、偏見は持たない。
１０人に１０の人生。１００人に１００の人生。
割り切って、感情移入はしない。
みんな、何かを背負っている。で、、、傍観をしている。
できる限り、お接待はつとめさせてもらう。
特に学生さんには、声をかける。

こんなお遍路さんを見たことがある。
子供の頭より大きな石を、野良犬にぶちつけた。
犬の後ろ足に当り、犬は悲鳴を上げて、逃げた。まともに当たったから、なんとも云えぬ走りかたで、逃げた。犬に当たった瞬間、大きな音がしたのだった。
なんということを。！
お遍路さんが、、あっという間の出来事だった。
意見？
どう思ったか？、、て。

焚火にあたりながら、空を見る。
志度寺の大きな屋根に鳩が何羽か止まっている。
飛行機雲が屋根と平行に。
それが、だんだんとほどけてゆく。
正月とは関係のないいつもの風景。

お遍路さんこそ、少なかったが、正月とあって参拝者はあとから、あとから絶え間なく来る。

知り合いから聞いた話。
お隣の男性が、毎日、出かける。
仕事は、偽遍路。
家を出る時は普通の洋服を着て出る。
途中で遍路装束に着かえて、鉄鉢を持って、人の集まる場所に立つ。
決して地元ではやらない。
隣の県までご出勤と、世間から言われているそうだ。

八十八ケ所の寺があるから、今日はこの寺明日はあの土地と哀しい話である。


いつもは家から寺まで歩いて往復一時間の距離。
散歩とお参りができるから、一石二鳥である。
今日は家を出る時から、身体の調子が、変だった。
お寺のベンチで休んだのだが、どうも背中が痛く歩くのがしんどい。
タクシーで帰ってきた。
お腹の痛みは昨日から消えている。
何だったのか。
少し、変調をきたしているようである。

偽遍路もいるし、さまざまなお遍路さんがいる。
ご用心あれ。