このタペストリーは二枚あった。
一枚は、赤系統。
地は赤色で、全体を赤でまとめた。
新婚さんにお目出度い色なので、差し上げた。
一度、家を訪ねたことがある。
玄関から、リビングへ通じる壁にかかっていた。その壁がマンションでは、一番広い壁だと云う。
横が1メートル。縦が1メートル15センチくらいの大きさである。
我が家では今、押入れの中で眠っている。
チクチクと毎日 何かを縫っていた。
楽しかった。
目が疲れると、海を見る。
島影を、巨大な船が通ると、窓辺に置いてある、双眼鏡で覗く。
右の島から出て来て、左の島影に入って行く。
窓から見ていると、10分くらいだけれど、近くから見ると、スピードは出ているのだろう。
二つの島を通ると、船は段々と小さくなり、視界から消えて行く。
反対に、近づいて来る船もある。
三時ぴったり、犬が散歩の催促。
そんな毎日の繰り返しであった。
そして、手芸作品やリメイクの服が タンスや押入れに積まれて、眠っている。
俳句を再会して、四年が経った。
手芸作品のように、答は出ない。
ヘタッピーな句は残っているが、作品と云えるものではない。
タペストリーにお点を付けるなら、80点。
俳句は?点。
世間では我が師も先生。プレバトのいつきさんも先生。
信じる人によって、どちらが良いとか、偉いとかは、言えない。
(芭蕉さんは「聖俳」だ。)
現在は世間の評価は多様になっているから、俳句の世界でも、誰が一番とは、言える人はいない。
私にとっては我が師が一番と思って尊敬している。
一方で、テレビの世界で人気物になると、その俳人が一番と信じる人もいる。
答は出ない。出す必要もない。
しかし、淋しい時がある。わからなくなる時がある。
楽しいだけの趣味では、駄目ではないかと考えることがある。
我が道を、答のない先を見つめて、ゆくだけか。
昨日のしりとり俳句から。
☆彡 石蕗花は絮に枯山水の庭
☆彡 浜焚火小舟戻りく夕焼空
☆彡 寒しじみ掻きし小川の懐かしく
☆彡 真空管ごと大寒の青き宙