老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

ぽっぺん

2016-01-06 10:49:07 | 俳句

          🐢   空のやう青いぽっぺん吹きにけり

          🐢   すかし見るぽっぺん深い海の色

       

 ぽっぺんは、ビードロともよばれる。
何十年か昔、長崎への旅行の折りに買った。
私はシンプルな、青い一色のぽっぺんが気にいった。ぽっぺんの底は薄く、手で押すと、へっこむ。
薄いガラス製で、吹くとぽっぺん、ぽっぺんと鳴る。
普通 ハーモニカ などは、息を吹いたり、吸ったりとするものだけれど、ぽっぺんの場合は、吹くというより吸うだけである。
息を吸うと、薄いガラスでできた丸い底がへっこむ。
口を放すと、丸い玉に空気がたまり底が膨れる。
このとき、ぽっぺん と音がする。

           

 これは、江戸時代に活躍した浮世絵師 喜多川歌麿が描いた ビードロを吹く娘である。
喜多川歌麿は、女性の表情がよくわかる(大首絵)といった構図を採用し、浮世絵の黄金期を築いた。
浮世絵美人が、吹いているのが、ぽっぺん である。

おもちゃではなく、正月に一度 厄落しや ゲン担ぎの意味を込めて吹くものと云う説もあるそうである。

1995年 切手趣味週間の一環で ビードロ を吹く娘が、記念切手として、発売された。
私は ずーと、シートで記念切手を集めていたが、今は持っていても、、、と思って常に使用している。

綺麗な昔の記念切手で便りが来たら、私は嬉しい。
しかし 封書も葉書も、送料の値上がりで2円切手を、余分に貼らなくてはならなくなった。
切手を上下に2枚貼っては、かたなしである。
何だか無粋な感がする。

         

 お正月には 思い出したように ぽっぺん を出してきて吹く。
猫にむりやりそばで
「姫 ぽっぺん 聞きなさい」と吹く。

       🍒 ぽっぺんに小首かしげる猫なりき
















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