老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

   断捨離

2018-04-18 11:56:27 | 俳句

      

何日か。夫の実家のある街に行っている。
昨日は途中にある道の駅のダム湖に鯉のぼりが泳いでいるのを見た。
以前はここに温泉施設があり、賑わっていたが、今では閉館をし、売り館の看板が出ている。


実家に行く。父祖のお墓詣り。
この道を往くと、実家の街。帰る時は道の駅に寄りひと休みすれば、海の見える我が街へと帰心がはやる。

閉館をした、温泉施設の庭に著莪の花が咲いていた。
かたまって咲いている。改めて思うことは寂しい花だ。

      

今週いっぱいで、我が家は壊される。
壊されて更地になると、もう自分たちの土地でなくなる。
300床くらいの大きな病院があった。
そこが移転をし、跡地に文化ホールのような施設が建設されるそうだ。
そこの施設の駐車場に、我が家の土地は買われた。
相手は市。雀の涙ほどの土地代だが、もう誰も住まぬ家を手放す潮時だと夫が思い切って売った。
寂しいのは一番に夫と思うが、住むにはリホーム代がかかる。
持っていてもしょうがないと考えたのだろう。

実家に置いてある荷物が大変だ。
私の嫁入りの箪笥からはじまりピアノ、琴、ギター等々、全て断捨離をすることにした。

しかし、本箱七つ分の本が、、、、
手に取っているとどうしても捨てられぬ本ばかり。
息子が想い出の品を取りに来た。レコードや自分の本、数々の品を運んだけれど、まだまだ残っている。
最後に土曜日に本を運送屋に運んでもらう段取りをした。
断捨離の機会はこの時だとばかりと考えたが、胸の内は寂しさでいっぱい。

一度に解体をされてしまうのか?
不動産屋の若い青年が、欲しい物は貰ってくれるそうだ。
でも想い出と共に、家まで無くなる。

      
      🍒    著莪の花使われぬをらぬ露天風呂

      🍒    じつとしてをらぬ影なる鯉のぼり

      🍒    著莪の花亥の子餅売る道の駅   

      🍒    そのかみは帝の御所や著莪咲ける    




コメント
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