🍒 斑猫や哀しみを背に遍路行
仏さまにおすがりしたい時もあります。
自分勝手はわかっています。
いつも無神論者だと公言をしているにもかかわらず。
志度寺にお詣りに行った。
ご住職さんが腰に虫よけの器を吊って水遣りに精を出しておられた。
境内はお寺の庭というより植物園のようで、現在は紫陽花が咲いている。
その種類の豊富さ、写真に撮るのも楽しさが倍増する境内だ。
今日は紫陽花も美しかったが、一番に心を奪われたのは「半夏生の花」だ。
☆ 藍玉の沸(た)つが如きか人恋ふは 折笠美秋
> 美秋は第一線の新聞記者として活躍中に筋萎縮側索硬化症を発病、歩行不能、さらに呼吸不能なため気管を切開、人工呼吸器をつけて病床に横たわる身となる。
目と口は動かせるが声は出せない。
そういう状態で何年も闘病していた俳人。
作品は妻が書き溜めた。
、、、、、、
句において泣き言はいわない。
奥さんにの限りない愛が、ふつふつと泡立っている。
<大岡信 折々のうた>から
今朝、偶然この句を読んだ。
藍甕の表面でふつふつと音を立てているようかに泡粒が沸く。
あの無数の泡は生まれては消えるが、無数に無限大に沸き続ける。
奥様の愛情は無償の愛、それに応えている美秋の心を感じる。
私の中での悩みは未だ受け止めかねて、事の重大さが理解できないでいる。
困った時の神頼み、志度寺へお詣りしたとて、消える悩みではない。
こうやってブログを書けば少しでも気がまぎれるか?
青天の霹靂とはこの悩みだが、少しでも長いほうが、耐えるには大変だが、結果としてはよいのだ。
しかし明日の事は誰もわからぬ。
精一杯生きてもらい共に生きなくては。
🍒 半夏生紅させば生れる空元気
🍒 半夏雨人来ては去る海女の墓
🍒 足ぶみをして蚊を追つ払ふ遍路
🍒 半夏生箒目清し海女の墓
🍒 御住職蚊遣器腰に吊るしをり