☆ 塵取を這い出してゆくいぼむしり 長谷川櫂
青い小さな3センチくらいのカマキリを見ることがある。
オオカマキリ、コカマキリと何種類かあるので、大小でいうなら、3センチくらいのは コカマキリ。写真のカマキリは優に10センチ以上もあるのでオオカマキリか?
散歩中、大きなカマキリが目に前に横たわっていたので驚いた。
死んでいるのかと思い、持っていた杖でカマキリの横をトントンと叩くと、前足を持ち上げて杖に向かってきた。
くわばら、くわばら、色が茶色いから、枯蟷螂かと早合点をしていたのであるが。。
「蟷螂の斧」なる言葉がある。
まさにこのカマキリはその言葉のように、はかない抵抗を試みている。立派なカマキリだ。
☆ 蟷螂は馬車に逃げられし馭者のさま 中村草田男
三角形の頭に複眼で前足を持ち上げて、遠ざかりゆく馬車を威嚇し続けている様に見えたのか。向ってくる馬車を鎌を持って迎え打つとは思えない。
馬車に逃げられたカマキリが己の弱みを顧みず臍をかんでいるような句にしかおもえないのだけれど。
単純に解すれば単純。理屈っぽく難解と思えば難解。言葉を探してこねくり回す力を私は持ち合わせていない無力の鑑賞者である。
庭掃除をしている箒に知らずか、カマキリだと気がつきながら掃き集められたのか、頃合いを見て、塵取りから逃げて這い出してゆくカマキリ。ユーモアがあってよい。何時も無用の斧を振り上げてばかりいぬ、自然体の虫のカマキリがいてもいいではないか。
カマキリをじっと観察をしていると、散歩をやっている何人かがカマキリを覗いて、声をかけて通る。
「ややあーカマキリだ」
田舎でもこんな大きなカマキリは珍しくなっている昨今である。
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