港を通りかかると、大きな船が停泊をしていた。
豪華なおしゃれなフランスの客船と、見物に来ていた人が教えてくれた。
港の向うには屋島が横たわっている。
ロストラルと言う船だと。
全長142メートル、総トン数10700トン、乗客定員264名、乗組員140名。
1万トンと、かなり小ぶりなロストラルは大型船が入港できぬ港でも、コンパクトなサイズをいかして入港できる可能性があるらしい。
船首には社旗がはためいている。
今日の高松は、五月の爽やかな風に真っ青の空。
一年の中でも最高の日和だと思う。
見物の人が三々五々と。
思った。見物なぞするもんではない。乗船してこそ豪華客船だ。そうだ。!乗りたいよ~!
世界も、日本もいつの間にか 各差社会。
豪華な船旅のできる人、一ト日旅で満足している私。
解っているが、淋しいな~。
舩の後方に回ると、船尾には、フランスの国旗、トリコロール(青 白 赤)がはためいている。
駐車場が遠いから、私だけ写真を撮りに車から降りた。
30分の約束で、連れ合いは車で待っていた。
車中での会話。
「豪華客船でどこかへ行きたい」
「普通のサラリーマンで世界一周は無理だな」
「そうね~」
「高級取りのサラリーマンは思うように、休みがとれないし」
そしたら、どんな人が。
あくせく何十年も働いた人が自分の御褒美に、ちょっと張りこんだ船の旅。
その辺りは想像にかたくない。
しかし、世界の海を豪華な客船が行き来をしている。
夜な夜な、ダンスパーティーが催され、夜会服を着た淑女が楽しんでいる。
想像は忽ちすることができる。
「お前さんも、時を逆戻りさせて、いい人を見付ければよかったのにな~」
「ううう、もっと美人で才能があれば、ひっかけてくれる人もあったかも?
いいや、絶対に無い。
豪華な客船なぞ見物をするものではない。
わが身が哀れに?(健康じゃないか)無い物ねだりは見苦しいよ。
昔、今井杏太郎さんが、飛鳥Ⅱに乗った時は乗船中の人と句会をやったとか教えたとか。。。
最近お亡くなりになった、作家の内田康夫さんは御夫婦で二千万の費用の船旅を楽しんだとか?
航海中は「浅見光彦シリーズ」を執筆しながらだったとか?
そうなんだ、貧乏性の私なぞは、とても船旅は楽しめない。
お裁縫をする?ふむふむ、、、何もすることがなく、時間を持て余すだけか?
🍒 外国船横たふ薔薇の咲く港
🍒 トリコロールの旗のまぶしき聖五月
🍒 青嵐や吃水線の上下に
🍒 接待のうどん水兵の夏帽子
🍒 赤燈台へ日傘小さくなりにけり
🍒 そのかみの鬨の声する青岬