誠意への期待

先日、北海道東部沖の太平洋上にて、操業中の我国のイカ釣り漁船がイスラエル共和国籍の大型貨物船と衝突して転覆、乗組員7名が落命されました。まずは犠牲各位のご冥福をお祈りしたく思います。
大型貨物船は米合衆国より韓国を経て中国と香港へ向かっていたもので、双方の船体の損傷と付着した塗料の照合の結果、事故の当事船である事が確認されました。
ここで申し上げたいのは、犠牲の各位には申し訳ない部分もありますが、当事船の船籍のあるイスラエル共和国と船会社のこれまでの対応が、まずは承服できるレベルである事だと思います。
事故を知りながら現場を立ち去ったのではないかとの疑惑は強く否定したものの、証拠が挙がれば衝突した事実を率直に認め、
船会社の代表が直ちに来日して遺族並びに関係各位に速やかに謝罪、今後の補償についても誠意をもって対応する事を約束した由。これは現場海域が大型船の航行が極めて多い事を考えると、一方的に事故責任を追及するのは極めて慎重を要すると思います。
思えば1948=昭和23年に中東の地中海東岸に建国された同国は、その後主に宗教対立から来る戦乱の時代を長く経験する事となります。
国土の周辺には常に戦火が燻り、安保上の理由より建国以来義務兵役制(男性約3年、女性約2年)のやむなきとなっています。
国民の日々の生活も、きっと危険と向き合って過ごすかなりの緊張を伴うものと推察されます。
こうした国民性故、イスラエル共和国の方々はその是非はとも角、事件事故の危険に対応する能力が高く、1度問題が起これば極めて高い対処能力を有しているものと思われます。
漁船が事故に遭遇した海上は、我国の国家権限が及ばない公海上でした。現在の法制度では、当事船の船籍を有する国にしか捜査権限がありません。国によっては一切の事故責任を認知せず、犠牲者の遺族補償さえままならない状況もある中、危機管理能力に優れた同国の、事故解明への誠意ある姿勢と、遺族に対する速やかな補償行動を心より期待したく思うものであります。*(地球)*

エースの去就

今季不振に喘いだ巨人、清原和博内野手が先日自由契約となり、事実上の退団が決まった。
今年通算500本塁打を達成したものの、シーズンを通しては不調が目立ち、特に夏以降は膝の不調などで2軍での調整が続いていた様だ。
同選手は現役続行の意思であると言われ、現状オリックス、楽天が獲得に名乗りを上げ、古巣西武も触手を差し出していると言われる。
ただ実態としては、楽天の次期監督への就任が濃厚な野村克也さんが仰っている様に「もう1度基礎からやり直す気があるなら拾ってやっても良いぞ」と言う意味であり、相当に厳しい状況ではないだろうか。これは西武に帰るにしても、オリックスに移るにしても同様だろう。比べたくはないが、同じく現役にこだわりながら、チーム監督の話も舞い込んでいるヤクルト、古田捕手とは随分な差を感じる。
推定数億円と言われる高額年俸の問題をどうするかも関心の集る所だろう。本来は敵チームの出来事に深入りしたくはないが、ここは同選手の奮起を期待したいものである。

国勢調査についての落とし穴

昨日より今日にかけ、我が名古屋市内とその周辺地区に於いて、只今実施中の2005=平成17年度国勢調査の用紙回収に絡む詐欺事件が続発している様です。
手口は、既に配布を終えている調査用紙を、各自治体より委託を受けた調査員を装って住宅を訪問、各位より、詳細な個人情報を記入済みの用紙を受け取って、そのまま行方をくらますもの。従って、まだ記入を終えていない方の中には難を免れた方もいらっしゃいます。又、偽調査員が訪れた直後に本物の調査員が訪問、事件が発覚したケースもある様です。
真の意図は、営利目的の個人情報収集である事は明らかであり、こうした事件は遠く1920=大正9年より平時、戦時に関係なく必ず5年毎に行われて来た国勢調査の歴史上でも初めての事態ではないでしょうか。
こうした事態に対処する為には、我々も注意を新たにする必要があるかと思います。
まず第1に、自分の個人情報は、他人に知られたくない部分も多い故、必要時は断固自分で守るべきだと言う事。
その為に、用紙を配布にお越しになった調査の方と、回収にお越しになった方が別人の場合は、念の為に携行が義務づけられている調査員証の提示を求めるべきでしょう。調査員本人の事情により、記入済み用紙の回収が、配布とは別人となる可能性もありますので。
第2に、その用紙が配布される際、同時に担当調査員の氏名と連絡先の記された記入説明書が渡されるはずです。そこでもし、回収に方法に不審な点がある場合は一旦渡すのをやめ、連絡先に確認を取るのも一法でしょう。
夜間などで直ちに連絡不可能な時は一旦回収者を帰し、翌日日中に連絡を取ると良いでしょう。この時、絶対に回収者を部屋に上げない事が大事です。
この報を見ても、近頃の詐欺事件が以前にも増して巧妙化、悪質化している事が窺えます。
繰り返しますが皆様、今1度注意を新たにしたいものであります。*(注意)*

鬼畜の選択

先月末、北九州にて複数の殺人及び監禁致傷事件を起こしたかどで審理されていた松永　太、緒方純子両被告に対し、福岡地方裁判所小倉支部より死刑判決が言い渡された。
今世紀初め、両名により不法監禁されていた女性が脱出に成功、警察への通報により判ったもの。
犠牲者はこの女性の実父及び緒方被告の家族親族など実に7名にも及び、殺害同機は主に両名の物欲、金欲による極めて自己本位なものであった由。
主犯格の松永被告は以前より交際のあった緒方被告に金づる目的で同被告の家族親族の監禁を企てる圧力をかけ、緒方被告もそれに応じる形で前述の監禁を幇助、被害者達に通電など拷問に近い虐待を働いた揚句殺害に加担させたり遺体の隠蔽に協力させたりしていたとされ、起訴事実通りなら正に稀代の「鬼畜の所業」と申して良いだろう。
松永被告は起訴事実を否認して判決後控訴の意思を示したが、緒方被告の供述は極めて信憑性が高いとされ、控訴審での有力な状況証拠になり得るだろう。
又この事件、昭和末期の首都圏における連続幼女殺害事件の宮崎　勤、そして今世紀初め大阪の小学校を襲撃して児童を殺傷した宅間　守両被告とも共通する快楽殺人の色あいも感じる。そうだとすれば、7名もの被害者を死に追いやった真犯人は松永、緒方の両被告ではなく、快楽殺人を煽る不健全メディアと言う事もできるだろう。
冷酷極まる主犯格、松永被告も何かを参考に凶行に及んだはずであり、必ず指南役が存在するはずだ。
こう考えると同被告も1実行犯に過ぎず、「言論表現の自由」を悪用した不良メディアこそ真の悪者と見る事もできるのだ。
決してこの悲劇を矮小化してはならないのも事実。被告達に有利な状況を手にし得るのは、この控訴審までであろう。
なぜならこうした凶悪事件の裁判の場合、最高裁判所で判決が被告有利に覆った例はないからである。

日本道路公団、遂に民営化

コナサン、ミンバンワ！10月も宜しく願います。
さて本日より、かねて利権の温床と揶揄されて来たJHこと日本道路公団が、難産の末民営化されました。
同公団は1956=昭和31年に、全国の高速道路伸長を睨んだ「日本道路公団法」に基づき発足、高速自動車国道と呼ばれる幹線高速道路と一部の一般有料道路の建設運営、他に有料駐車場やトラック・ターミナルの建設運営等を業とし1965=同40年の名神、1969=同44年の東名の両高速道路の成功により、最盛期を迎えます。
その後の北海道、九州、四国を含む全国への自動車道延伸はご存知の通りですが、ご多分に漏れず本州以外の地域では採算が厳しく、近年までに実に40兆円を超える累積債務を負う結果となっています。
この内には、旧建設省や運輸省よりの官僚OBの天下り、及び建設業界との諸々の利権が噂され、それらが同公団の財務体質を悪化させた可能性が大きいとされています。
近年は日本道路公団民営化委員会が組織され、将来のあり方が検討されて参りましたが、ご存知の様に方向性を巡って意見が対立し、最後には委員会としての体裁さえ事実上成さなくなってしまったのは残念かつ遺憾な所です。
今日よりは東日本高速道路、中日本高速道路、そして西日本高速道路の3つの株式会社に分割され、前述の諸業務を引き継ぐ事となります。
ついては我々国民も、各社の運営が健全に行われるのか、従来の様に官僚や国会議員、そして関連業界の利権の温床にならないか監視を続けると共に、世界的にも割高と言われる自動車諸税や通行料収入につき、その使途が常に適正であり続ける様注視を怠らない様にしなければなりません。*(車)*