
54キロ地点の恵曇エイド
前半50キロを4時間そこそこのタイムで走ってきた浜田屋陸上部、後半の一番手はやはりエースのタリバン政ちゃんであります。
54キロ地点から出発し、最大の難所である横手林道を越え宍道湖畔まで、距離にして19キロを駆け抜けます。

横手林道は道幅が狭く、おまけに草が伸び放題なのでランナーたちも走りにくそうです。
タリバン政ちゃんは一度試走しコースの状況は充分把握しているので、ここでも快調なペースで走ります。
60キロ地点で、カックン曲がりの道で車が渋滞してきました。
それならば…裏ルートを走ってタリバン政ちゃんを追っかけます。
ちょうど日本海側から宍道湖側へと山越えをする、一番キツイところで政ちゃんに追いつきました。
山の頂上

驚いたことに政ちゃん、尋常な走りではありません。
よっぽど苦しいのでしょう、顔がひきつっております。

しかし歩かずに必死で走り続けております。
「無理するなよ、ゆっくりでいいからな、まだ行けるか?」と聞くと、「まだ大丈夫、このまま走る」と言うので、中継ポイントの津ノ森エイドより4キロ手前の大野小学校エイドで待つことに。
もしギブアップなら、若手のTくんに走ってもらうように準備してもらいます。
ここで政ちゃんコケたら皆コケた~、になるので助け合って何とかゴールを目指します。
政ちゃんが走ってきました。


何とか津ノ森まで走ると言うので、予定通り73キロ地点で待つことにします。
さてこの先の7区、8区はにぎやかオジサン親子で84キロ地点までタスキをつなぐ予定でしたが、平均年齢46歳の浜田屋陸上部、平均年齢を上回るオジサンたちは、一走目でエネルギーを使い果たしたので余り長い距離を走れない、ということでTくんに7区11キロを託すことに。
急遽の作戦変更ですがTくん、快く受け走ると言うので、若いパワーに期待しましょう。
政ちゃんが足を引きずりながら中継ポイントに入ってきましたが、Tくんにタスキがつながりました。
政ちゃんの話によると、山越えの途中で片足に電流が流れ、残り2キロでは両足が肉離れになったとのこと。
最後は歩幅を狭めてヨチヨチ歩きのような状態になったようです。
それでもタスキをつなぐところはエースの意地でしょうか、あまり無理をしないように、とは言ってましたが彼の責任感が走り続けることにつながったのでしょう。
84キロ地点

7区11キロを51分で走破したTくん、84キロ地点で子から親へとタスキリレーです。
残り16キロはにぎやかオジサンが7キロ、R16さんが4キロ、そしてアンカーの僕が5キロ走ることになりました。
8区のにぎやかオジサン、平田市街で信号待ちのため数分ロスしたとの事でしたが、順調に9区のR16さんにタスキリレー。
R16さんも快調に走り、アンカーの僕は残り5キロ走るとフィニッシュという所まできました。
が…
雨が降り始めました。

霧雨ですが風もアゲインスト、フィニッシュ前に濡れるのもイヤだな~と思いましたが、カッパを着るほどでもないのでそのまま走ります。
残り2キロ、出雲大社に翻る大きな日の丸の旗が見えてきました。
突然こみあげてきて、目頭が熱くなってきました。
前方の視界が霞むのは、雨のせいばかりじゃないようです。
肉離れを起こしてまでも走り続けたエースのタリバン政ちゃん、期待以上の激走したTくん、チームを明るくしてくれたにぎやかオジサン、浜田屋陸上部のピンチを救ってくれたR16さん、みんなで力を合わせここまでこれたことを思うと、なんて素晴らしい仲間だろう…
この大会を目標に、あれやこれやといろいろ悩んだこともありました。
そんな思いがイッキに蘇り感動に変わったのでしょうか、嗚咽が止まりません。
前後のランナーとは2~300メートル離れているので、僕が何しているのか分かるはずもありませんが、泣きっ面でゴールというのもカッコ悪いので、ヨッシャヨッシャと声を出して走っていると涙がとまり、残り300メートルです。
5人の仲間でえびす様を祀る美保神社から、だいこく様が待つ出雲大社までタスキをつないできました。
雨も上がっています。
自然とラストスパート

フィニッシュは5人一緒にバンザイ

記録 8時間03分56秒
総合 49位(165チーム)
5人の部では30位(96チーム)
当初の予想では悪くても11時間以内、調子良かったら10時間位でゴールできるんじゃないかな?と計算してましたが、結果はご覧のとおり。
キロ平均4分50秒で駆け抜けたことになりますね。
全くの予想外の結果に、ただただ驚くしだいであります。
新緑の島根半島をタスキでつなぐ「えびす・だいこく100Kマラソン」
雄大な自然と地元の方たちとのふれあい、競争ではなく共走の大会はとても楽しく走ることができました。
来年もまた是非参加して、仲間と一緒に祝杯をあげたいものです。
えびす・だいこく バンザイ