司馬遼太郎著 坂の上の雲
文庫では全8巻、単行本では6巻の長編歴史小説です。
文庫では改訂版も発行されてますが、僕のはそれ以前の文庫なので表装が違うかもしれませんが秋の夜長、読書の秋ということで久々に読み返してみました。
ストーリーを一言で言えば、日露戦争を戦った明治時代の若者を忠実に書き綴った歴史本ですが、学校の歴史教科書とは比べ物にならぬ奥深い内容です。
1、2巻は後の日露戦争で活躍する、秋山好古、真之兄弟と俳人正岡子規を中心にした明治維新から明治30年頃までのお話です。
日清戦争を経て日露戦争までの国内の流れはもちろん、ロシアやヨーロッパの動向や歴史などが小気味よいテンポで書かれています。
歴史には「もしも」はタブーですが、あえて言うなら、もしも日露戦争に負けていたら…
今の日本人の名前は、○●スキーとか■○チェンコになっていたかもしれません。
いわば祖国防衛戦争であった日露戦争。
明治の人は強かった、とつくづく思うのであります。
ちなみにベースボールを野球と訳したのは、正岡子規だそうです。
投手、走者、四球などの用語も子規によるものだと、1巻の終わりごろに書いてあります。
伊予松山が生んだ秋山兄弟と子規のこの物語は、まだ序曲であります。