はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

日本の教育の問題点~親の役割

2019年03月30日 | はなこ的考察―良いこと探し
電車に乗る度に思う。

赤ちゃんを胸に抱き、
大荷物を抱えた母親が乗って来ても、
誰も席を譲らないのはなぜ?
と。

たまに譲る人もいる。しかし、本当にたまに見る光景だ。
これでは幼子を抱えた母親の外出は難行苦行だ。

そんな母子の姿を見たら、女性の中には「子育ては大変だ」と、
子どもを産み育てることに(本当はたくさんの喜びもあるのに)
躊躇する人もいるかもしれない。

もうさあ、少しは助けてあげようよ。 

(例えば、抱っこひもで前に赤ちゃんを抱えている場合、
母親が座ると赤ちゃんが足に苦痛を感じることもあるので、
近くの人が母親の荷物をいっとき持ってあげるだけでも良いのでは?

手助けの方法はいろいろあると思う。
これこそ、想像力を働かせる好機だ!

仮に声をかけて断られても、気にすることはない。
何ら恥じることもない。寧ろ胸を張って欲しい。
思いやりを示すその行動そのものが、
他人に無関心な今の社会に対して
一石を投じるもの
なのだから。)


今日もお昼前頃、都心に向かう電車に、
赤ちゃんを抱っこひもで抱えた母親が乗って来た。
背中には大きなリュックを背負い、
右肩にも大きなトートバッグを担いでいる。
いかにも重そうな荷物。

車内はほどほどに混んでいて、
私はその母子から離れた場所に立っていた。

出入り口の脇で窓の外に向かって母親は立っていた。
赤ちゃんがぐずるからだろうか?
荷物を抱えたまま自身の身体を上下に揺らし、
赤ちゃんを懸命にあやしている。

すぐ傍の席で、若い女性はスマホに目を落としたまま。
赤ちゃんがぐずっているのに一瞥さえしない。
まるで無関心だ。


海外では電車内で私が幼い息子を抱っこしていると、
どこの国でもすぐさま誰かが席を譲ってくれた。
 


特に若い女性が率先して譲ってくれた。
何れ母親になるかもしれない、
同性の若い女性の優しさが嬉しかった。
至極当然のこととして、何の衒(てら)いもなく
幼子を連れた見ず知らずの母親を気遣う姿が素敵に見えた。

私は息子には幼い頃から、
公共の乗り物ではよほど疲れていない限り
立つように教えて来た。
その前段として息子が幼稚園の頃から、
家族で街散歩やウォーキングイベントに参加するなどして、
長時間(2~4時間)の歩行に慣れさせ足腰を鍛えて来た。
その結果、彼は今でも長時間立ち続けることや歩くことを厭わない。

もし、バスや電車で席についていたとしても、
その席を必要としている人が乗って来たら譲るよう、
息子にはことあるごとに言い聞かせて来た。
彼は親の教えを実践していたようだ(バス、電車通学が始まった中学生の頃、
帰宅後にいちいち報告していた(笑))


だから所構わず、すぐ座り込む(所謂ヤンキー座り?)若者を見かけると、
彼らは子ども時代に足腰を鍛えることを怠ったせいで、
見た目より肉体は老いているんだろうなと思う。
逆に連れだってハイキングに出かける中高年女性の方が
よほど足腰が丈夫で、心身共に若々しいのかもしれない。

今はともすると、公共の乗り物で子どもを真っ先に座らせる親が多い。
これは傍から見れば、親が子どもを甘やかしていることに他ならない。
こうした甘やかしは、
子どもが本来持っている力を伸ばすことの妨げにしかならず、
子どもの成長の機会を奪う行為に等しい。

子どもの体調が悪くないのなら、特に走行が安定した電車では、
親の方が座り、子どもは立たせた方が良い。
本来、子どもは親よりもエネルギーに満ち溢れ、元気なのだから。
心身の鍛錬の機会は、こうした日常に転がっているものだ。

先日たまたま外国人親子(母親と小学生くらいの息子)を電車内で見かけたが、
当たり前のように母親が座り、息子は親の目の前に立ち、
母子で楽しそうに会話していた。微笑ましい光景だった。

親は我が子を、他者を思いやる心を持った真っ当な人間に育てる為に、
精一杯の愛情を注ぐのは当然のことながら、
けっして甘やかしてはいけないのだと思う。

社会で生きて行く以上、
人は基本的に互いを思いやることが大切だと思う。
そうでなければ社会は殺伐として、
誰にとっても生きづらい場になる。

それを率先して教えるのが、親の役割だと考える。
遅くとも就学前には、
「他の人とどのような態度で関わるべきか」
想像力を働かせて他者を思いやる姿勢を、
自分自身が手本となって、
親はわが子に教えるべきだと思う。

観念は家庭で教えるべきで、
学校はあくまでも実践の場である。


昨今は子どもに対する、
そういう人間としての基本的な素養の教育が、
欠けているような気がしてならない。

学問だけが我が子に授けるべき教育ではないのだよ。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 台湾に行って来ました | トップ | 新元号 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。