門から入館口までのアプローチ
去る日曜日、晴天の下、夫と2人で、表参道から乃木坂を経由して、赤坂まで街散歩して来ました。
地下鉄表参道駅から地上に出て、最初の目的地、根津美術館に向かう途中の道沿いにはセンス良い建物が建ち並んでいます。中でも一際目を引いたのが、ガラスブロックを積み上げたような建物。伊ブランド、プラダの路面店です。実物を見るのは初めて。かなり個性的でクール。
ダサ子を自認する私に、こうした瀟洒な街並みの表参道は縁遠い場所。滅多に行くことはありません。そのせいか、これまで根津美術館にも行ったことがありませんでした。しかし、今回、3年半の休館を経て、昨秋リニューアルオープンした話題性も手伝って、やっと根津美術館に足を運ぶことができました。門から展示館入口へと至る長いアプローチが、都会の喧噪から、美術館の静謐な異空間へと私達を誘(いざな)います。
長崎県美術館も手がけた建築家隈研吾氏の設計による展示館は、元からある日本庭園との調和を第一に、ガラスを多用しながらも和のテイストに溢れた作りになっています。

右写真は中2階から見た1階ロビー。3世紀~6、7世紀の仏教彫刻が立ち並びます。ヘレニズム文明の影響を色濃く残す、彫りの深い顔立ちのガンダーラ仏や穏やかな笑みを湛えた中国伝来の仏像。これらが個人によって収集されたことに、まず驚きを隠せません。また、私設美術館としては質量共に充実した古代中国の青銅器コレクションも圧巻!
茶道具にしても、陶磁器にしても、一部寄贈品が含まれるとは言え、これだけの一級品を個人が収集したのは凄いことだと思いました。他にも国立西洋美術館のコレクションの基礎を築いた松方幸次郎氏、大原美術館を創設した大原孫三郎氏、日本の企業メセナの祖とも言えるブリジストン創業者の石橋正二郎氏と、明治期の実業家はなぜ、膨大な美術・骨董のコレクションが可能だったのか?税制の違いなのでしょうか?それとも創業者利益が今以上に莫大だったのでしょうか?或いは、フィランソロピー思想の有無が、現代の富豪と言われる人々と、明治期の富豪達を隔てているのか?
元々根津美術館が建つこの土地は、創設者である根津嘉一郎氏の私邸だったそうですが、庭の設えも見事です。土地の高低差を巧みに生かした純和風庭園には4棟の茶室が点在し、池には小型の屋形船も浮かぶ。庭を散策するだけでも、根津美術館を訪れた価値がありますね。都会のど真ん中に、このような風流な庭が存在すること自体、奇跡です。正に贅沢の極みです


根津美術館に程近い、青山骨董通り界隈に岡本太郎記念館があります。根津美術館で満足感に充たされたので、今回こちらは外観だけ拝んで入場はなし。次回の楽しみと致しましょう。
ビルのテナントに骨董店がひしめく?骨董通りだけでも散策すると楽しいかもしれません。良くも悪くも骨董への理解と大衆化を促したテレビ番組『何でも鑑定団』の名物鑑定士、中島誠之助氏の店「からくさ」?もこの通りにあるんですよね。
根津美術館と岡本太郎記念館のちょうど中間地点辺りに、ジャズのライブハウスとして有名な「ブルーノート東京」を発見。さらに、そのすぐ近くに伊の高級車フェラーリのショールームも!開店間もないのか、店頭に広告写真を撮る?カメラマンの姿がありました。ショールームの名前Rosso(イタリア語で「赤」)に因んで、鮮やかな赤いフェラーリがショールーム内に鎮座していて、これまた華やか。
その後、青山墓地の敷地内を貫く一般道を抜けて、乃木坂へと至りました。歩く道すがら目に飛び込んで来る風景は、都会の風景そのもの。乃木坂トンネルのデザインや色遣いも洒落ているし、ガラス張りの六本木ヒルズや国立新美術館の無機質感は、雲ひとつない青空によく映えますね。逆に言えば、青空の背景があってこそ、それぞれの存在感も際立つ。

乃木坂神社近くにあった衛生陶器製造のTOTO本社ビル?の青い外壁が鮮やかで目を引きました。その右手に見える白亜の建物は、桂由美ブライダルハウスです。
桂由美ブライダルハウス前で、建物を背景に記念撮影をする1組のカップルに遭遇しました。その後2人は建物の中に入って行ったので、これからウェディングドレスをオーダーする予定なのでしょうか?こうした記念撮影も、若い2人には結婚に至るプロセスのひとつひとつを記録する、思い出作りの一環なんでしょうね。
ところで、今回初めて知ったのですが、乃木坂はその名の由来である乃木将軍夫妻自害の以前は、「幽霊坂」と呼ばれていたのだそうです。青山墓地に近いからでしょうか?
その後、港区立赤坂小学校の角を左に入って、そこで少し迷いながら(途中、外壁に巨大なアンコールワット遺跡のレリーフが施されたカンボジア大使公邸に遭遇(笑)。そこから元来た道を少し戻り、坂を上るようにカナダ大使館と、華道草月流の拠点、草月会館の間の通りを通って)青山通りに出ました。
その後はひたすら広大な赤坂御所の鬱蒼とした緑を左手に見ながら、終点の赤坂見附駅まで歩きました。途中の道沿いにある「虎屋」本店ビルは、前面に今年の干支と屋号に因んだ巨大な虎の意匠のの凧と奴凧の正月飾りを施していて、華やいだ雰囲気。
表参道から赤坂に至る界隈は、日曜日の昼下がり、歩いている人自体が少ない中、多国籍の人々が行き交っていました。つまり極めて非日本人率が高い(笑)。日本語の看板がなければ、ここはどこ?と一瞬戸惑うくらい。各国大使館が集積する土地柄故でしょうか。
今回の散歩では、15,296歩を記録しました。冬晴れの下、外気は剥きだしの肌にはヒンヤリと冷たかったものの、コートの下では心地良い汗をかいて、目にも楽しく、なかなか充実した散歩でした。冬の散歩も青空の下なら、寒さもさほど気にならないものです。散歩の後は地元に戻って、いつものカフェでティータイム♪今が旬のいちごタルトと、アールグレイのレモンティーを口にしながら(ダイエットの効果台無しだけれど…(^^;))、散歩を振り返る楽しいひとときを過ごして、この日の散歩を締めくくりました

地下鉄表参道駅から地上に出て、最初の目的地、根津美術館に向かう途中の道沿いにはセンス良い建物が建ち並んでいます。中でも一際目を引いたのが、ガラスブロックを積み上げたような建物。伊ブランド、プラダの路面店です。実物を見るのは初めて。かなり個性的でクール。
ダサ子を自認する私に、こうした瀟洒な街並みの表参道は縁遠い場所。滅多に行くことはありません。そのせいか、これまで根津美術館にも行ったことがありませんでした。しかし、今回、3年半の休館を経て、昨秋リニューアルオープンした話題性も手伝って、やっと根津美術館に足を運ぶことができました。門から展示館入口へと至る長いアプローチが、都会の喧噪から、美術館の静謐な異空間へと私達を誘(いざな)います。
長崎県美術館も手がけた建築家隈研吾氏の設計による展示館は、元からある日本庭園との調和を第一に、ガラスを多用しながらも和のテイストに溢れた作りになっています。










ビルのテナントに骨董店がひしめく?骨董通りだけでも散策すると楽しいかもしれません。良くも悪くも骨董への理解と大衆化を促したテレビ番組『何でも鑑定団』の名物鑑定士、中島誠之助氏の店「からくさ」?もこの通りにあるんですよね。
根津美術館と岡本太郎記念館のちょうど中間地点辺りに、ジャズのライブハウスとして有名な「ブルーノート東京」を発見。さらに、そのすぐ近くに伊の高級車フェラーリのショールームも!開店間もないのか、店頭に広告写真を撮る?カメラマンの姿がありました。ショールームの名前Rosso(イタリア語で「赤」)に因んで、鮮やかな赤いフェラーリがショールーム内に鎮座していて、これまた華やか。
その後、青山墓地の敷地内を貫く一般道を抜けて、乃木坂へと至りました。歩く道すがら目に飛び込んで来る風景は、都会の風景そのもの。乃木坂トンネルのデザインや色遣いも洒落ているし、ガラス張りの六本木ヒルズや国立新美術館の無機質感は、雲ひとつない青空によく映えますね。逆に言えば、青空の背景があってこそ、それぞれの存在感も際立つ。



桂由美ブライダルハウス前で、建物を背景に記念撮影をする1組のカップルに遭遇しました。その後2人は建物の中に入って行ったので、これからウェディングドレスをオーダーする予定なのでしょうか?こうした記念撮影も、若い2人には結婚に至るプロセスのひとつひとつを記録する、思い出作りの一環なんでしょうね。
ところで、今回初めて知ったのですが、乃木坂はその名の由来である乃木将軍夫妻自害の以前は、「幽霊坂」と呼ばれていたのだそうです。青山墓地に近いからでしょうか?

その後はひたすら広大な赤坂御所の鬱蒼とした緑を左手に見ながら、終点の赤坂見附駅まで歩きました。途中の道沿いにある「虎屋」本店ビルは、前面に今年の干支と屋号に因んだ巨大な虎の意匠のの凧と奴凧の正月飾りを施していて、華やいだ雰囲気。
表参道から赤坂に至る界隈は、日曜日の昼下がり、歩いている人自体が少ない中、多国籍の人々が行き交っていました。つまり極めて非日本人率が高い(笑)。日本語の看板がなければ、ここはどこ?と一瞬戸惑うくらい。各国大使館が集積する土地柄故でしょうか。

