![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/c1/59144b1800aa7ba0810ce172e17fef9d.jpg)
是非、できるだけ多くの人に見て欲しい1本!
映画界は近年”アフリカ”ブームである(本作プログラム解説中にもその指摘があった)。私が見ただけでも、『ザ・インタープリター』『ナイロビの蜂』『すべては愛のために(Beyond Borders))』『ダーウィンの悪夢』『ロード・オブ・ウォー』『ラストキング・オブ・スコットランド』そして『ホテル・ルワンダ』と、アフリカが抱える問題を真正面から捉えた、或いはアフリカを舞台に繰り広げられる凄惨なドラマが目白押しだ。
これは何を意味するのだろう?近現代国際社会の歪みが最も端的に顕われているアフリカの地が、ドラマ的要素を多分に持っていることの証明なのか?或いはアフリカから搾取を続ける側の良心の疼きが、世界にアフリカの惨状を伝えずにはいられないのか?それがせめてもの罪滅ぼしのつもりなのか?正直言って『ラストキング・オブ・スコットランド』まで見たところで食傷感が否めず、もう”アフリカもの”はしばらくはいいかなと思ったくらいである。ところが本作は、そんな私の心を再び揺さぶったのだった。全編2時間23分という長尺を感じさせない緊迫感で、終始私の目を釘付けにした。
タイトルの『ブラッド・ダイヤモンド』とは別名”紛争ダイヤ”とも言われ、アフリカの紛争地帯において革命軍等の軍費調達の手段として利用されているダイヤのことを指しているのだそうだ。その出自を隠す為に複雑なルートを経て、正規ルートのダイヤの中に紛れて世界中で販売されて来たと言うから、自分の持っているダイヤモンドが紛争ダイアである可能性だって否定できない。仮にそうであれば、間接的ではあるにせよ、アフリカの紛争に加担したことになる(紛争のピーク時には市場に流通するダイヤの約15%が紛争ダイヤであったとの説もある)。2000年にはこの紛争ダイヤを世界市場から排除すべく、国連主導でキンバリー・プロセスという、流通するダイヤが紛争ダイヤではないことを証明する制度も設置されたが、今もなお紛争ダイヤは巧妙に市場に紛れ込んでいるらしい。
【参考リンク】
■紛争ダイヤQ&A(アムネスティ公式サイト)
■キンバリー・プロセスとは
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/65/fe501438884f181d12a807d15b39af96.png)
本作の主な舞台となったシエラレオネ共和国は、ギニアやリベリアに囲まれた大西洋に面した西アフリカの小国である。
この記事を書くに当たってシエラレオネについてネット上(日本語のみ)で調べてみると、検索エンジンで「シエラレオネ」と指定してもあまり有用な情報が出て来ないのに対し、「紛争ダイヤ」ではいろいろ出て来た。シエラレオネという国が「紛争ダイヤ」問題を通して語られることの多さに正直驚いた。
遠い記憶を辿ると、意外にもシエラレオネとは個人的な接点があったことを思い出した。もう20年以上も前のことである。当時仕事の関係で、ひとりのシエラレオネ人女性と出会ったのだ。彼女は当時のシエラレオネ政府から派遣された技術研修員。身の丈は180㎝はあろうかという、小柄な私から見れば見上げるような大柄の女性で、いつも色鮮やかな民族衣装を身にまとい、頭にも共布のターバンを巻いて世界各国からの研修員の中でも目立つ存在だった。自信たっぷりな言動で、快活に笑う女性だったように記憶している。彼女は2カ月後には日本での研修を終え帰国の途に着いた。その数年後にシエラレオネは長く凄惨な内戦状態に陥ったのである。今回の映画の舞台がシエラレオネと聞いて彼女の近況が気になるところであるが、残念ながら今の私には知る手だてがない。
■シエラレオネ共和国について
■世界一寿命の短い国
(以下のブログ内記事につづく…)
■ブラッド・ダイヤモンド(2)
■「ブラッド・ダイヤモンド」―シエラレオネの近況
ワンクリックいただけたら嬉しいです(*^_^*)⇒
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/90/dbb9daf4d49c61082dbb2fb43f412e9e.png)