英国旅行から帰国後、TOHOシネマズの1カ月フリーパスポート⋆を夫婦揃って取得し、ここ2週間はTOHOシネマズで映画を見まくっています。
⋆TOHOシネマズ1カ月フリーパスポートとは、映画の上映時間1分を1ポイントとし、累積6000ポイントで発行されるパスポートで、発行日から1カ月間、六本木ヒルズを除く全てのTOHOシネマズで公開中の映画を無料で鑑賞できる、TOHOシネマズ独自のマイレージ会員カードホルダーへのサービスです。
TOHOシネマズのマイレージ会員向けサービスには他にも「6本有料で見たら1本無料」と言うサービスもあるのですが、私はマイレージ・ポイントを溜めることを最優先したので、無料鑑賞ポイントも6本分溜まっている状態です
残念ながらと言うか、情けなくもと言うか、まだ気管支炎は完治したとは言えないのですが、咳止めの漢方薬を飲み続けて、徐々に症状は治まって来ました。少なくとも映画を見ている2時間前後は常に温かい飲物で喉を潤し、極力咳が出ないように気を付けています。
ホント、傍から見れば「映画バカ」としか言いようがない…でしょうね
発行から17日目の今日までに、フリーパスポートで見た映画は16本。中でも以下の3本は非常に見応えがありました。奇しくも3本すべてが、知的で力強いヒロインの活躍する作品です。
現在絶賛公開中。オススメです!
(1)「女神の見えざる手」(原題:Miss Sloane ←ヒロインの名前)
米政界で暗躍するロビイストの中でも"かなりの切れ者"と評判の女性ロビイストの活躍を描く。目的の為には手段を択ばないその強引なやり口には、身内さえも疑問を呈すほど。そのあまりの辣腕ぶりを苦々しく思うライバル達は、彼女を叩き潰そうと情け容赦ない攻撃を仕掛けて来る。しかし、鋼の信念に裏打ちされた、常に先の先(の先?笑)を見据えた彼女の深慮遠謀は他の追随を許さず、まさに生き馬の目を抜くようなロビイスト達の闘いのドラマを、誰もが予想だにしない驚きの結末へと導くのだ。
かなり強烈なキャラクターのヒロインですが、その実、彼女自身にも全人生を仕事に捧げて心が血を流しているような痛々しさがあり、そこに「完全無欠なキャリア・ウーマン」ではない人間味を感じて、思わず応援したくなります。
今年見た中でも最高の一本です!全編、膨大な台詞で、展開も目まぐるしいので、片時も目が離せません。鑑賞には2時間あまり全意識を集中して字幕を追い続ける覚悟が必要(笑)。
孤高の(←少なくとも本人はそう思っている)ヒロイン、マデリーン・エリザベス・スローンを演じるジェシカ・チャスティンが、とにかくクール。遅咲きの主演女優は近年、誰もが目を見張るような濃密で充実した女優人生を歩んでいますね。
重要な役どころで、往年の米国ドラマ・シリーズ「Law & Order」ファンなら感涙ものの懐かしいキャストも登場します。
あー面白かった
(2)「ドリーム」(原題:Hidden Figures)
米ソが宇宙開発競争を繰り広げていた1960年代は、米国で黒人の地位向上を訴える公民権運動が盛んな時代でもありました。
その当時のNASAで、差別と闘いながら有人宇宙船計画に科学者として参画した黒人女性達の活躍を描いたのが本作。特に数学者、エンジニア、コンピューター・プログラマーとして頭角を顕した3人の女性は、それぞれの分野で先駆者的存在でした(蛇足ながら、米国にマーキュリーと言う名の従兄がおり、彼の名が当時の「マーキュリー計画」から取られたものなのかもしれないと、今更のように気づいたのでした)。
その傑出した才能で、謂れのない差別や偏見を打ち砕いて行くさまは見事で痛快。同時に、数は少ないながらも、彼女達の能力を正当に評価し、受け入れ、支援する人々の存在にも心打たれる(実際はドラマ性をより際立たせる為、事実とは異なる脚色をされた部分もあるようです)。
ただ、本作で初めて彼女達の存在を知った私は、「どうして今になって、漸く?」と言う、「彼女達の顕彰が遅きに失した」印象も拭えません(まあ、単に私が知らなかっただけなのかもしれませんが…実際、天才数学者であったヒロインのひとり、キャサリン・G・ジョンソンは2015年になって漸くその功績が認められた形で米国自由勲章を受章しており、今年、NASAに設置されたコンピューターセンターにも彼女の名前が付けられたそうです)。その偉業が称えられるまでに、実に50年以上の歳月を要したんですね。
主演にタラジ・P・ヘンソン、オクタヴィア・スペンサーと馴染の黒人女優が顔を揃えていますが、個人的にはテレビドラマ「Person of Interest」のカーター巡査役だったヘンソンが、同じくテレビドラマの「Empire」での主役を経て、映画でも堂々ヒロインを演じている姿に感慨深いものがありました(調べてみたら、「ベンジャミン・バトンの数奇な人生」で、アカデミー賞助演女優賞に既にノミネートされていたのですね)。
(3)「アトミック・ブロンド」
ここ数年の間に男女2人の養子を迎え母親となったシャーリーズ・セロンは、「我が子に恥じない作品選びと演技」を心掛けているのだそうです。
その彼女が40代にして取り組んだ役は、世界を股にかけて活動する女スパイ。何人もの男性を相手に、鍛え上げた身体を張っての激しいアクションでは、前歯が3本折れてしまったのだとか。見ているこちらまで思わず痛みを感じてしまうような激しさです。
物語の時代設定はベルリンの壁崩壊前後の1980年代後半。東西ベルリンを舞台にMI6、KGB、CIA(そして、ちょこっとフランス)が「三つ巴の闘い」を見せます。本当は誰が味方で誰が敵か、キツネとタヌキの化かし合いよろしく、三者の騙し合いが続きます。そもそもシャーリーズ演じる強かな女スパイ、ロレーン・ブロートンはどちらの側なのか?
ただし、本作は物語の展開を楽しむと言うより、80年代ポップスをBGMに(←個人的に懐かしい曲ばかり)、画面で縦横無尽に躍動するヒロイン、シャーリーズ・セロンを見て楽しむ作品なのかなとも思う。相変わらずエレガントでスタイリッシュでクールなシャーリーズ。傷だらけでも、悪態ついても、下品なそぶりを見せてもなお美しくセクシーなシャーリーズ。そんな完全無敵(笑)な彼女を存分に堪能できました。
⋆TOHOシネマズ1カ月フリーパスポートとは、映画の上映時間1分を1ポイントとし、累積6000ポイントで発行されるパスポートで、発行日から1カ月間、六本木ヒルズを除く全てのTOHOシネマズで公開中の映画を無料で鑑賞できる、TOHOシネマズ独自のマイレージ会員カードホルダーへのサービスです。
TOHOシネマズのマイレージ会員向けサービスには他にも「6本有料で見たら1本無料」と言うサービスもあるのですが、私はマイレージ・ポイントを溜めることを最優先したので、無料鑑賞ポイントも6本分溜まっている状態です
残念ながらと言うか、情けなくもと言うか、まだ気管支炎は完治したとは言えないのですが、咳止めの漢方薬を飲み続けて、徐々に症状は治まって来ました。少なくとも映画を見ている2時間前後は常に温かい飲物で喉を潤し、極力咳が出ないように気を付けています。
ホント、傍から見れば「映画バカ」としか言いようがない…でしょうね
発行から17日目の今日までに、フリーパスポートで見た映画は16本。中でも以下の3本は非常に見応えがありました。奇しくも3本すべてが、知的で力強いヒロインの活躍する作品です。
現在絶賛公開中。オススメです!
(1)「女神の見えざる手」(原題:Miss Sloane ←ヒロインの名前)
米政界で暗躍するロビイストの中でも"かなりの切れ者"と評判の女性ロビイストの活躍を描く。目的の為には手段を択ばないその強引なやり口には、身内さえも疑問を呈すほど。そのあまりの辣腕ぶりを苦々しく思うライバル達は、彼女を叩き潰そうと情け容赦ない攻撃を仕掛けて来る。しかし、鋼の信念に裏打ちされた、常に先の先(の先?笑)を見据えた彼女の深慮遠謀は他の追随を許さず、まさに生き馬の目を抜くようなロビイスト達の闘いのドラマを、誰もが予想だにしない驚きの結末へと導くのだ。
かなり強烈なキャラクターのヒロインですが、その実、彼女自身にも全人生を仕事に捧げて心が血を流しているような痛々しさがあり、そこに「完全無欠なキャリア・ウーマン」ではない人間味を感じて、思わず応援したくなります。
今年見た中でも最高の一本です!全編、膨大な台詞で、展開も目まぐるしいので、片時も目が離せません。鑑賞には2時間あまり全意識を集中して字幕を追い続ける覚悟が必要(笑)。
孤高の(←少なくとも本人はそう思っている)ヒロイン、マデリーン・エリザベス・スローンを演じるジェシカ・チャスティンが、とにかくクール。遅咲きの主演女優は近年、誰もが目を見張るような濃密で充実した女優人生を歩んでいますね。
重要な役どころで、往年の米国ドラマ・シリーズ「Law & Order」ファンなら感涙ものの懐かしいキャストも登場します。
あー面白かった
(2)「ドリーム」(原題:Hidden Figures)
米ソが宇宙開発競争を繰り広げていた1960年代は、米国で黒人の地位向上を訴える公民権運動が盛んな時代でもありました。
その当時のNASAで、差別と闘いながら有人宇宙船計画に科学者として参画した黒人女性達の活躍を描いたのが本作。特に数学者、エンジニア、コンピューター・プログラマーとして頭角を顕した3人の女性は、それぞれの分野で先駆者的存在でした(蛇足ながら、米国にマーキュリーと言う名の従兄がおり、彼の名が当時の「マーキュリー計画」から取られたものなのかもしれないと、今更のように気づいたのでした)。
その傑出した才能で、謂れのない差別や偏見を打ち砕いて行くさまは見事で痛快。同時に、数は少ないながらも、彼女達の能力を正当に評価し、受け入れ、支援する人々の存在にも心打たれる(実際はドラマ性をより際立たせる為、事実とは異なる脚色をされた部分もあるようです)。
ただ、本作で初めて彼女達の存在を知った私は、「どうして今になって、漸く?」と言う、「彼女達の顕彰が遅きに失した」印象も拭えません(まあ、単に私が知らなかっただけなのかもしれませんが…実際、天才数学者であったヒロインのひとり、キャサリン・G・ジョンソンは2015年になって漸くその功績が認められた形で米国自由勲章を受章しており、今年、NASAに設置されたコンピューターセンターにも彼女の名前が付けられたそうです)。その偉業が称えられるまでに、実に50年以上の歳月を要したんですね。
主演にタラジ・P・ヘンソン、オクタヴィア・スペンサーと馴染の黒人女優が顔を揃えていますが、個人的にはテレビドラマ「Person of Interest」のカーター巡査役だったヘンソンが、同じくテレビドラマの「Empire」での主役を経て、映画でも堂々ヒロインを演じている姿に感慨深いものがありました(調べてみたら、「ベンジャミン・バトンの数奇な人生」で、アカデミー賞助演女優賞に既にノミネートされていたのですね)。
(3)「アトミック・ブロンド」
ここ数年の間に男女2人の養子を迎え母親となったシャーリーズ・セロンは、「我が子に恥じない作品選びと演技」を心掛けているのだそうです。
その彼女が40代にして取り組んだ役は、世界を股にかけて活動する女スパイ。何人もの男性を相手に、鍛え上げた身体を張っての激しいアクションでは、前歯が3本折れてしまったのだとか。見ているこちらまで思わず痛みを感じてしまうような激しさです。
物語の時代設定はベルリンの壁崩壊前後の1980年代後半。東西ベルリンを舞台にMI6、KGB、CIA(そして、ちょこっとフランス)が「三つ巴の闘い」を見せます。本当は誰が味方で誰が敵か、キツネとタヌキの化かし合いよろしく、三者の騙し合いが続きます。そもそもシャーリーズ演じる強かな女スパイ、ロレーン・ブロートンはどちらの側なのか?
ただし、本作は物語の展開を楽しむと言うより、80年代ポップスをBGMに(←個人的に懐かしい曲ばかり)、画面で縦横無尽に躍動するヒロイン、シャーリーズ・セロンを見て楽しむ作品なのかなとも思う。相変わらずエレガントでスタイリッシュでクールなシャーリーズ。傷だらけでも、悪態ついても、下品なそぶりを見せてもなお美しくセクシーなシャーリーズ。そんな完全無敵(笑)な彼女を存分に堪能できました。