はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

住宅ローンの繰り上げ返済

2009年06月22日 | はなこ的考察―良いこと探し
私は美術館でボランティアなどをしておりますが、我が家の社会における階層属性は中の下だと思います。夫は大手企業勤務なので全国平均を上回る収入がありますが、住宅ローンを抱えていますし、年に1~2回の帰省費用も馬鹿にならない金額(盆、正月の帰省となると航空運賃がピーク料金)で、元々首都圏や首都圏近県出身の方に比べたら、余裕のない家計だと思います(実際、美術館のボランティア仲間は富裕層が多い印象ですが、私のような庶民でも受け入れて貰えています。しかし、米国のボストン美術館のボランティアは、それこそ名士夫人の務めなんだそうです。それは美術館経営に欠かせない企業や個人からの寄付を募る為に、彼女達の豊富な人脈が重要だかららしい)

「では、どうして地方から上京なんかしたの?」と言われそうですが、地方にはそもそも就職口が少ないし、就職するにも、本人の実力や努力とは関係のない力(親の経済力、政治力)が働く余地が大きい。私も地方のその閉塞的な状況にウンザリして上京したと言えます。一方、首都圏には数多くの企業が集中し、常に労働力を必要とする状況なので、私たちのようなコネのない地方出身者にも、より良い条件の職場への就職のチャンスがある。だから、首都圏に全国から人が集まるのは当然ですね。生活面でも地方には地方なりの良さがあるのは当然ですが、私が求めている生活は首都圏にこそある。だから夫がリタイアしたとしても、出身地には戻らないだろうなあ…

さて、我が家が現在住んでいるマンションを購入したのは14年前。バブルの終わり頃でした。海外から帰国した頃は、会社が社宅として用意してくれた分譲マンション(海外赴任中の社員の持ち家。新築分譲価格は8000万円を超えたそうです。床面積は80㎡弱)が中古価格でも6000万円台でした。だから我が家が購入したマンションの分譲価格は比較的値頃だと思いました。しかし、その後、周辺の新築マンションの分譲価格が大幅に下落したことを考えると、まだまだ高めだったのですね。今なら自宅周辺で同額出せば、それなりの一戸建てが買えます。近所の新築戸建てを見るたびに、ため息が出てしまう。まあ、見るだけ→ヨソと我が身を比較するだけ、無意味ですが…

就職にしても、住宅購入にしても、時の運がありますね。

特に就職できるか否かは、本人の能力以上に、その時の経済状況に左右される。一昨年は団塊世代の大量退職と好況感で就職は売り手市場だったのに、昨秋以来の世界的な経済不況で就職戦線は一変しました。現在の30代もバブルが弾けた頃に就職期を迎えた世代で、世代別では最も正規雇用率が低く、「失われた世代」と言われていますね。最も失われたものは何か?おそらく、個人の「尊厳」だと思います。就職活動でそれまでの努力が報われず、自己否定を余儀なくされた、辛い体験を経た世代。逆に打たれ強い、逆境に強い世代とも言えるのかもしれませんが。

一方、住宅購入はある程度、個人にタイミングの選択は委ねられているわけですが、それでも住宅ローンを組む以上、”買い時”は狭められる。70歳、80歳の年金生活の時まで住宅ローンを払い続けるなんて現実的に無理です(おそらく、多くの人は定年退職時に退職金を住宅ローンに充当するのでしょうが、貴重な老後資金である退職金には手をつけたくないものです)。しかし、ある程度の頭金を貯めるには、親からの援助や遺産相続等がない限り、それなりの年月が要る。我が家は自力で買わざるを得ない状況だったし、地方や海外転勤もあったので、自ずと30代後半になってしまいました。

マンション購入時、頭金は2000万円ほど用意しましたが(とにかくそれだけの金額を貯めるまで節約しました。その経緯を家計簿体験談にまとめて、日銀内にある貯蓄広報委員会<旧称>主催のコンクールに応募したら、県で1位の奨励賞を受賞しましたmeromero2)、それでも私達サラリーマン家庭にとっては多額の負債が残ります。これだけの金額を生活しながら返すとなれば、長期ローンを組むしかありません。当時はあまり深く考えもせずに、雑誌の記事等を鵜呑みにして、35年ローンを組みました。

しかし、夫は35年という気の遠くなるような年月の間、住宅ローンを払い続けることに、不安と圧迫感を持ったようでした。それで私なりに調べて夫の負担を軽減する方法として選んだのが、繰り上げ返済です。住宅ローンを始めて1年後には最初の繰り上げ返済。それから数回繰り返し、今月も200万円余り繰り上げ返済を実行しました。これにより返済期間は16年短縮し、残り5年となりました。おそらく支払い利子の負担軽減もそれなりの額になったとは思いますが、計算はしていません。また途中で夫の会社の業績不振でボーナスが半減したのを機に、当初組んでいたボーナス返済をやめて月々の返済のみに。その際に月々の返済額が増えてしまいましたが、それに合わせて生活を見直すしかなかったですね。とにかく夫が定年までに住宅ローンの返済を終えたいと希望しているので、家計を預かっている妻としては、その希望を叶えてあげたい。その為には私の健康が回復したら、「外に働きに出る」と言う選択もありますね。年齢的に見て、職種を選べる状況ではないのでしょうけれど。

それにしても、昨今の不況で月々の給与もカット、ボーナスも(あるだけ恵まれてはいますが)半減horori。それでいて、息子の私立大理系の学費は年間200万円近く…入学時は子ども保険で100万円を手当てできましたが、2年目以降は夫の給与か貯金で賄うしかない。貯金がなかなか増えないどころか、減る一方ですねhekomi。今年は年明けの息子の大学受験(予備校で直前対策講座を受講させたり、数校の受験料やホテル宿泊代等)や父の容態急変と死去による何度かの帰省で、さらに出費が嵩みました。どちらも避けようのない出費だから納得は行きますが(世の中には、何人ものお子さんを育てておられる方もいますしね)、ボーナス支給前に計画していた夏休みの旅行はどうしたものかと、考えあぐねていますhekomi。それ自体、贅沢な悩みなのかもしれませんが…hekomi
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