はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

大学は勉強するところです!

2008年12月08日 | 家族のことつれづれ
昨日の所謂ゴールデンタイムに、漢字クイズの番組を家族で見ていた。漢字検定1級、2級の問題が出題されるが、「読み」だけなら、息子も含めて家族全員ほぼ全て解答できる。だから、”番組盛り上げ要員”であるお笑いタレントはともかく、誰もが知る著名大学出身者までもが、それほど難しくない問題で躓くのには首を傾げた。少なくともアナウンサーに”読めない漢字”などあって欲しくない。

大学受験時が学力のピークだったのだろうか?思わず「大学できちんと勉強したのかな?」という言葉が口をついて出た(仮にも学士なんだから漢字位は読めろ、と言うことです)。すると息子が間髪を容れずに「僕と同じかな…」と口を滑らせた。それに強く反応した夫。烈火の如く(と言ったら大袈裟かな)「お前は大学に遊びに行くつもりなのか?大学の学費は高いんだぞ。遊びに行くつもりなら受験なんて止めろ。高校を卒業したら働け」と怒った。
夫も私もかつて貧しい中で、本当に勉強したくて大学に進学した。夫の父は満州からの引き揚げ者で帰国後も不遇が続き、苦しい家計の中からやり繰りして、夫や妹を県外の国立大学へ進学させた。私も父が長患いをしていたので、働きながら自分で学費を稼いで大学を卒業した。だから息子の安易な一言が看過できなかった。私達夫婦が息子に残せる資産と言えば、彼が自立できるだけの教育を授けることである。大学に行くからには、きちんと勉強して欲しい。

「教育」は何も机上の学問のみを指しているのではない。息子にはあらゆる機会を捉えて、さまざまな経験を積ませて来たつもりだ。見聞を広めて欲しかったので、彼が幼い頃から国内外を旅して来た。国内は九州を除く殆どの都道府県を訪ねた。博物館、美術館、映画館、舞台(ミュージカルや能狂言等)鑑賞にも積極的に連れ出した。学校や自治体が主催するサマーキャンプへも毎年のように参加させた。児童館で行う(工作、料理、社会見学、キャンプ等の)体験サークル活動にも2年間参加させた。息子は中学3年間は運動音痴ながらも野球部の部活に頑張った。絵画教室には10年通い、油彩画を県展にも出品して2度入賞した。学校の教育指導の一環であるボランティア活動にも参加している。高1、高2の夏休みには短期間ながらアルバイトも経験。また家族の一員として、風呂の掃除やゴミ出し等、家事の一部も担当して貰っている。

こうした諸々の経験が、彼を形作って行くのだと思う。もちろん、楽しいことばかりではない。野球部ではレギュラー入りは叶わず、公式試合出場の機会は1度もなかった。絵画の県展も7回挑戦して5回は落選である。風呂掃除やゴミ出しも「友達でこんなことしている人なんていないよ」と文句を言いながら続けている。でも、人生って、自分の思い通りに行かないことの方が多いんだよね。イヤだなと思っても、やらなきゃいけないことって沢山あるんだよね。

私達が面倒を見るのは基本的に大学まで。親は家計をやり繰りして高い学費(国立大でも100万円近く、私立理系では200万円近く)を負担するのだから、息子は息子できちんと勉強して、そう遠くない将来の自立に向けて力をつけて欲しい(親はいつまでも子供の傍にいてはやれないからね。ましてや我が家には潤沢な資産はないし)。それを踏まえた上で、学生生活の中で関心の幅を自ら広げて行けば良いのだと思う。
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