それは中国ならではの拘りで、2008年8月8日中国時間午後8時と言う、中国で縁起の良いとされる数字”8”並びで始まった。
まさに中国の国家の威信をかけた壮大なスペクタクルだった。中国映画界を代表するチャン・イーモウ監督が2年以上の歳月をかけて構想しただけのことはある。中国4千年(欧米の展覧会では5千年と表記されることも)の歴史を、あらゆる分野で世界の先駆けであり続けた歴史を、これでもか、これでもかと見せつけた。相当力が入っているね。
中国映画お得意の人海戦術で(他国では絶対無理なスケール!)、空前絶後のマスゲーム(特に波打つような「漢字」の活版!)を展開(あの中で少しでも動きがズレるとすごく目立つんだね!)。何百人、何千人というパフォーマーが一斉に演舞する姿は壮観だ。会場周縁、床に設えられた巨大スクリーンに映し出される映像と、無数のLED電球を体に巻き付けたパフォーマーから発せられる色彩のコラボレーションも鮮やか。さらに中国アクション映画には欠かせないワイヤーアクションを駆使して、重力を無視したかのように、パフォーマーが会場内を縦横無尽に駆け巡る。まさに中国映画の制作手法と技術の集大成と言う印象。
京劇や伝統舞踊の演者の容姿や衣装の美しさにも惚れ惚れした。中国13億人選りすぐりの美男美女の競演である。テーマソングの歌唱に、英国の歌姫サラ・ブライトマンが登場したのには驚いたけれど。
通称”鳥の巣”と呼ばれる会場の内外(万里の長城でも?!)で打ち上げられる何万発にも及ぶ花火の音と光のイリュージョンにも圧倒された。
豪華絢爛絵巻もそろそろ食傷ぎみかなと思い始めたところで、いよいよオリンピックの真の主役である選手達の入場。今回の北京オリンピックには、オリンピック史上最多の204カ国・地域から選手・役員合わせて約1万6000人の参加らしい。今回の入場順は、オリンピック発祥の地ギリシャの先頭と開催地中国の最終登場以外は、中国の漢字表記で最初の一文字の画数が少ない順からと言うことで、私たちには予測のつかない順序で各国選手団及び役員が登場した。
国名の中国語読みのアナウンスが興味深い。どうせなら、中国語表記の国名もテロップに流すか、各国先頭のプラカードを大写しにして欲しかった。入場国数の表記もないので、入場がいつまで続くのかさえの見当もつかない。今回のNHKは、明らかに準備不足ではないの?それとも中国当局が事前情報を出し惜しみしたために、こうならざるをえなかったのか?(結局、放送終了予定時間も大幅にオーバー<午前0時半が1時10分過ぎまで>しての終了。さすがのNHKも予測のつかない展開であったのか?)
会場内で、選手の行進を盛り立てる役目らしき白いユニフォーム姿の中国人女性らの隊列が気になった。終始ジャンプしたりダンスしたりと体を動かし続けているが、入場行進が延々と続くので彼女たちも大変だ。中国選りすぐりの美女だと思うが、次第に疲れも見えて来た。思わず「頑張れ」と応援した。
今回選手団は総勢約1万人だそうだ。出場国の中には選手より役員の数が多い国も。そんな中で他国を圧倒する大選手団は米国とロシアと開催国の中国。この三国で1700人余り(中国639人、米国596人、次いでロシアが約500人)。実に出場選手の2割近くを占める。5人に1人は中国選手か米国選手かロシア選手。選手の数でもメダル争いでも、三国は他国を圧倒しそうだ。
さて、開会式も中国卓球女子選手による選手宣誓を終えて、いよいよクライマックス。最終聖火ランナーは中国往年の体操選手らしい。この日までトップシークレットだった聖火台への点火。観衆が固唾を飲む中で聖火ランナーは空中高く舞い上がった。そして会場をぐるりと囲んだ、360度に展開する巨大スクリーンの壁を勢いよく駆け巡り始めた。背景のスクリーンには各国を巡って来た聖火のこれまでの道のりが映し出されている。そしてランナーが1周し終えたところで、いよいよ姿を現した聖火台。それは聖火トーチと全く同じ形状の、細めの逆コーン形をしていた。導火線を伝って聖火は最終ランナーから聖火台へ。そして点火。夜空を背景に勢い良く燃えさかる聖火は、誇らしげな中国そのもののように見えた。こうして16日間に及ぶ熱戦の火ぶたは切って落とされた!!
オリンピックの主役はあくまでも選手なんだろうけれど、開催地中国の自己顕示欲は相当なもの。これをさらなる発展の礎にしようとの意識が強く、強く感じられるセレモニーだった。開会式に先立って、迎賓館で各国首脳(これも史上最多らしい)を迎えてのレセプションが行われたらしいけれど、胡錦涛国家主席に挨拶すべく列を成す各国首脳の姿に、主席は世界の頂点に立った陶酔感を味わったのだろうか?やっぱり、いろいろな意味で中国はすごい。したたかだ。
まさに中国の国家の威信をかけた壮大なスペクタクルだった。中国映画界を代表するチャン・イーモウ監督が2年以上の歳月をかけて構想しただけのことはある。中国4千年(欧米の展覧会では5千年と表記されることも)の歴史を、あらゆる分野で世界の先駆けであり続けた歴史を、これでもか、これでもかと見せつけた。相当力が入っているね。
中国映画お得意の人海戦術で(他国では絶対無理なスケール!)、空前絶後のマスゲーム(特に波打つような「漢字」の活版!)を展開(あの中で少しでも動きがズレるとすごく目立つんだね!)。何百人、何千人というパフォーマーが一斉に演舞する姿は壮観だ。会場周縁、床に設えられた巨大スクリーンに映し出される映像と、無数のLED電球を体に巻き付けたパフォーマーから発せられる色彩のコラボレーションも鮮やか。さらに中国アクション映画には欠かせないワイヤーアクションを駆使して、重力を無視したかのように、パフォーマーが会場内を縦横無尽に駆け巡る。まさに中国映画の制作手法と技術の集大成と言う印象。
京劇や伝統舞踊の演者の容姿や衣装の美しさにも惚れ惚れした。中国13億人選りすぐりの美男美女の競演である。テーマソングの歌唱に、英国の歌姫サラ・ブライトマンが登場したのには驚いたけれど。
通称”鳥の巣”と呼ばれる会場の内外(万里の長城でも?!)で打ち上げられる何万発にも及ぶ花火の音と光のイリュージョンにも圧倒された。
豪華絢爛絵巻もそろそろ食傷ぎみかなと思い始めたところで、いよいよオリンピックの真の主役である選手達の入場。今回の北京オリンピックには、オリンピック史上最多の204カ国・地域から選手・役員合わせて約1万6000人の参加らしい。今回の入場順は、オリンピック発祥の地ギリシャの先頭と開催地中国の最終登場以外は、中国の漢字表記で最初の一文字の画数が少ない順からと言うことで、私たちには予測のつかない順序で各国選手団及び役員が登場した。
国名の中国語読みのアナウンスが興味深い。どうせなら、中国語表記の国名もテロップに流すか、各国先頭のプラカードを大写しにして欲しかった。入場国数の表記もないので、入場がいつまで続くのかさえの見当もつかない。今回のNHKは、明らかに準備不足ではないの?それとも中国当局が事前情報を出し惜しみしたために、こうならざるをえなかったのか?(結局、放送終了予定時間も大幅にオーバー<午前0時半が1時10分過ぎまで>しての終了。さすがのNHKも予測のつかない展開であったのか?)
会場内で、選手の行進を盛り立てる役目らしき白いユニフォーム姿の中国人女性らの隊列が気になった。終始ジャンプしたりダンスしたりと体を動かし続けているが、入場行進が延々と続くので彼女たちも大変だ。中国選りすぐりの美女だと思うが、次第に疲れも見えて来た。思わず「頑張れ」と応援した。
今回選手団は総勢約1万人だそうだ。出場国の中には選手より役員の数が多い国も。そんな中で他国を圧倒する大選手団は米国とロシアと開催国の中国。この三国で1700人余り(中国639人、米国596人、次いでロシアが約500人)。実に出場選手の2割近くを占める。5人に1人は中国選手か米国選手かロシア選手。選手の数でもメダル争いでも、三国は他国を圧倒しそうだ。
さて、開会式も中国卓球女子選手による選手宣誓を終えて、いよいよクライマックス。最終聖火ランナーは中国往年の体操選手らしい。この日までトップシークレットだった聖火台への点火。観衆が固唾を飲む中で聖火ランナーは空中高く舞い上がった。そして会場をぐるりと囲んだ、360度に展開する巨大スクリーンの壁を勢いよく駆け巡り始めた。背景のスクリーンには各国を巡って来た聖火のこれまでの道のりが映し出されている。そしてランナーが1周し終えたところで、いよいよ姿を現した聖火台。それは聖火トーチと全く同じ形状の、細めの逆コーン形をしていた。導火線を伝って聖火は最終ランナーから聖火台へ。そして点火。夜空を背景に勢い良く燃えさかる聖火は、誇らしげな中国そのもののように見えた。こうして16日間に及ぶ熱戦の火ぶたは切って落とされた!!
オリンピックの主役はあくまでも選手なんだろうけれど、開催地中国の自己顕示欲は相当なもの。これをさらなる発展の礎にしようとの意識が強く、強く感じられるセレモニーだった。開会式に先立って、迎賓館で各国首脳(これも史上最多らしい)を迎えてのレセプションが行われたらしいけれど、胡錦涛国家主席に挨拶すべく列を成す各国首脳の姿に、主席は世界の頂点に立った陶酔感を味わったのだろうか?やっぱり、いろいろな意味で中国はすごい。したたかだ。