はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

総選挙が終わった。

2009年08月31日 | はなこのMEMO
昨日は午前中に夫と共に、選挙の投票を済ませた。午後は自宅でのんびり過ごし、夜はNHK、民放各局の選挙特番をチャンネル・サーフィンした。選挙結果については選挙前から分かっていたことなのであまり興味がなく、殆どミーハーな視点で選挙特番を見ていた。

一番見やすいのは何と言ってもNHK-BS。画面に映るのは司会者と解説者の2人のみで、静かに淡々と戦況を伝えて行く。

何となく2人の服装に目が行った。解説者は明るめのグレーのスーツに紫のネクタイと同色のポケットチーフ。アナウンサーは黒のスーツに赤のネクタイと、なぜかオレンジのポケットチーフ。

「なんか変だよね。この色合わせ」と夫。今朝の6時台にも2人が登場していたが、解説者は昨日と同じ格好で、アナウンサーはネクタイ、ポケットチーフ共にオレンジに着替えていた。

「クレーム出たのかな?あの色合わせ」と再び夫。そんなことはないんだろうけれど、おしゃれに無頓着なはずの夫の発言に笑えた。画面作りがシンプルなだけに、そういう細部が目立ってしまうのだろう。


民放は相変わらずスタジオにゲストを多数揃え、当落の結果に逐一コメントをいれたり、途中で中継を入れては、明暗分かれた立候補者の様子を伝えるなどして騒々しい。

古舘伊知郎キャスターはいつもながら肩に力が入り過ぎて、見ているだけで疲れる。安藤優子キャスターは良くも悪くもサクサク仕切っている。

そんな中で一際異彩を放っていたのが、看板番組WBSのレギュラーコメンテーターを揃えた?テレビ東京の特番。仕切りはもちろん小谷真生子キャスター。隣にかつて”「子どもニュース」のお父さん”だった池上彰氏がいる。

当初池上氏は大勢いる中のコメンテーターの1人かと思ったが、どうやらディレクターから開票結果の動静をイヤフォンで聞いて、隣の小谷氏に伝える役回りらしい(小谷氏のコントローラー?)。

しかし、小谷氏は選挙結果(選挙ドキュメントとでも言いましょうか?)には興味がないのか、自らが日頃から気になっている日本の問題~雇用や経済の立て直し等~について出演者らと意見を交換したいらしく、池上氏の耳打ちをことごとく無視、或いは軽く流してしまう。

それにあからさまに不快、憮然とした表情を見せる池上氏が(失礼ながら)滑稽だった。普段のレギュラー番組では、自分よりも無知な人々(テレビタレント等)に、自らの知識を得意げに披露している池上氏。その中で彼は誰からも一目置かれる存在なのである。

彼はそれなりに常識人だと思うのだが、この時は小谷氏の態度がよほど腹に据えかねたのだろうか?座の中心にいればテレビ画面に映ることは分かっているだろうに、今まで見せたことのない感情も露わな表情を見せた。今回の仕事は、さぞかしストレス溜まりまくりだっただろうなあ…

とにかく小谷氏が高圧的で、池上氏を鼻にも掛けない様子が、テレビ画面を通して伝わって来た。ディレクターは彼女の性格を知っているから、お目付役に池上氏を据えたのだろうが、今回は失敗だったみたいだ。小谷氏の暴走は止まらず、池上氏にとってはとんだ災難だったことだろう。

コメンテーターのひとり、猪瀬直樹氏は文筆家出身だからか、持論を展開する時、やたらと一文が長すぎる。これでは視聴者はキャッチアップできない。いつまで経っても結論に達しないので、途中で聞くのを止めてしまう人が多いのではなかろうか?

一方、何れも論客揃いの他の出演者は語りが簡潔明瞭で、短い1文をリズミカルに繋いで結論に至るから分かり易い。

猪瀬氏はその語り口調から、明らかにテレビやラジオ向きではないと思う。他の出演者が話している時に、しかめっ面で腕組みしているのも、人の話に聞く耳もたずに自分の殻に閉じこもっているように見えて、いかにも損をしている。


ことほどさようにテレビ(の生中継)は意図せずして出演者の人間性を映し出してしまう怖い箱だ。だからこそ、映画の時代からテレビの時代になって、俳優や歌手が仕事で評価されるだけでなく、その人間性まで問われるようになったのだろう。

同時にイメージ増幅装置の役割も担っているから、演技巧者と言うかプロ意識の高い芸能人は、創り上げたイメージで視聴者を幻惑して来たのかもしれない。そして演じ続けることに疲れてしまった結果が、酒井法子の破綻なのかもしれない。


選挙特番の感想はこの辺で終わりにして、今回、当選した顔ぶれについて。小選挙区で敗れた自民党の幹部クラスが、比例で何人も復活当選したのが、どう見ても格好悪い。重複立候補ってみっともないことは認めなければ良いのに。

その点では、重複立候補をせずに落選の憂き目にあった公明党の幹部は潔い。

今回は前回の郵政選挙とは対照的に、民主党で数多くの新人議員が誕生した。政権運営をしながら素人集団をまとめるのは至難の業だろうなあ。

民主党の新人議員の中には、比例で棚からぼたもち的当選を果たした人もいるようだ(みんなの党の候補者が小選挙区で10%の得票率に達しなかった為、みんなの党の比例での議席獲得枠を、民主の候補者が貰い受けたらしい)。

さて、気になった新人議員は2人。自民党選出の世襲議員、小泉進次郎氏と民主党選出で小池百合子氏を破った江端貴子氏。

小泉氏は声質、話し方(受け答え)が父の純一郎氏にそっくりなのに驚いた。画面を見なければ、若かりし頃の小泉純一郎氏が話していると錯覚するのではと思うほど。

この酷似は、議員秘書として常に父親の傍らにいて、あらゆることを学びとろうとした結果と言えるかもしれないが、次男の彼が後継者になった理由は、父の政治家としての資質を兄以上に受け継いだところにもあるのかもしれない。

「どん底からのスタートですね」と言う取材者の問いかけに、「今がどん底であるならば、後は上がるしかない」と応えるあたり、まさに父、純一郎氏のDNAではないか。真摯な受け答えには好感が持てた。周りの人間も彼をサラブレッドと甘やかさずに、大勢いる新人議員の1人として扱うことが大事だろう。

個人的には、世襲議員は親の地盤、看板をそのまま引き継ぐのではなく、落下傘候補としてまったく縁もゆかりもない場所で勝負して貰いたいところ。

もう1人の江端氏。なんと!ある時期彼女と人生が重なっていた。しかし、その後の人生は大きく違う。常に目の前の課題に全力で取り組み、克服して来た、と言う印象の人だ。彼女の生き様を見ると、自分はいろいろな意味でもっと努力すべきだったのではないか?と悔いたりもする。

昼の生番組で見かけた彼女は、堂々たるキャリアからは意外なほど、柔らかな雰囲気を湛えていた。しかし、物腰は柔らかくても、言うべきことはキッチリ言うところなど、システム開発に始まり、コンサルティング業務や広報と、相手と粘り強く交渉を重ねて、自分の意図するところを確実に相手に理解してもらう仕事に長く従事して来た人らしい。

彼女を見ていると、本当の意味で自分に自信のある人は、敢えて鎧で身を固める必要などないから、人に柔らかい印象を与えるものなのかなと思う。江端氏はこれまで新しい分野に迷うことなく飛び込み、着実に成果を上げて来た人のようだから、政界でも大きな成果を上げるだろうと期待している。

【参照リンク】

◆テレビ東京も、当初は以下のような目論みであったろうに…>政権選択選挙を詳細に! 『ニッポン戦略会議…あすへの提言…』

◆こんな感想を漏らしているブロガーがいた…>「小谷さんの失敗」(アメブロで発想術)
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