家族旅行の宿泊費や、イタリア料理屋、回転ずし屋、てんぷら屋の支払いに政治資金を使った、と週刊誌に報じられた舛添要一・東京都知事が5月13日の定例会見で、45万5千円を返金すると語った。要するに、使うべきでないところに政治資金を使ってしまった、と認めたわけである。
彼の前任者の猪瀬直樹氏は医療法人・徳洲会グループから受け取った5000万円を貸金庫に保管していた問題で、都知事を辞任している。
その金銭感覚にピリッとしたところのない舛添氏が、前日の12日に、2020年のオリンピック・パラリンピックの東京招致活動中に日本側が国際陸連に多額の金銭を支払った問題で「われわれが調べた限り、その事実はない。お金を払ったということはないと聞いている」と否定した。否定している人が金銭スキャンダルの渦中の人だけに、にわかに信用する気になれなかった人は多かったであろう。
すると、13日になって、2020年東京五輪招致委員長をつとめたIOC(日本オリンピック委員会)の竹田恒和会長が「業務に対するコンサルタント料で問題があるとは思っていない。招致活動はフェアに行ってきたと確信している」と送金の事実を認めた。だが、国際的に話題になっているオリンピック招致をめぐる贈収賄の疑惑は否定した。
外国での報道によると、東京オリンピック招致委員会が2億円以上の金をIOC委員で国際陸連(IAAF)前会長のラミン・ディアク氏の息子の秘密口座に送金した疑いがあると、フランスの検察当局が明らかにしている。イギリスのガーディアン紙は、日本の広告代理店・電通もこの問題に関わっている、と報じている。
フランスの検察の捜査と、日本の国会の審議(非力ではあるが)に期待しよう。
(2016.5.13 花崎泰雄)
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