こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

ありがとう

2016年02月27日 00時24分46秒 | 文芸
均整がとれた体なのに、

ぬーぼーっとした大男。

優しすぎるマスクが、

たまらなく好きだった。

順調に大関まで出世したのに、

結局

優勝に恵まれなかった大器、

豊山である。

 いじめられっ子である私には

ヒーローだった。

当時最強の横綱大鵬が

人気を誇っていたが、

私はなぜか豊山に魅かれた。

ここ一番というときに

迷いと弱気を見せる大関に、

すごく親近感を感じた。

(強いだけが男じゃない!)

テレビ画面に大写しになる、

ちょっと気弱な表情に、

心からエールを送り続けた。

 がっぷり四つに

組みあったときの豊山は

万全だった。

それが後ろ投げという決まり手が

目立ち始めると、

内心

地団太を踏んだものだ。

あの体なら

誰とまともに当たっても

負けやしないのにと

何回思っただろう。

 大事な取り組みで

期待に応えられない、

プレッシャーに弱い

大関の烙印を

押されても、

豊山は

私に生きる勇気を与えてくれる

ヒーローであり続けた。

あの出会いに

感謝したい。

コメント
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