観劇で神戸に。
アマ劇団活動が唯一の趣味で、
毎月一度は
勉強のために出かけていた。
その日は若い女性と一緒だった。
アマ劇団で後輩だが、
不思議と気が合った。
時間まで食事をし、
お茶を飲んだ。
席が隣り合う観劇は、
胸がときめき
観劇どころではなかった。
帰りの電車内でも話は弾んだ。
話す時ジーッと見つめる彼女に、
もうメロメロ状態に。
「あ?着いちゃった。
ここで降ります」
彼女の家は明石。
名残惜しそうな様子で
電車を降りる彼女。
私の理性は一瞬吹っ飛んだ。
慌てて後に続き、
降りた。
驚く彼女に、
「もう少し一緒にいたいから」
正直な告白だったが、
「ごめんなさい。
もう遅いから帰らないと
叱られちゃう」
とそっけなく彼女。
改札で切符を払い、
駅前で見送ったが、
その後が大変。
財布には
もう小銭しかなかった。
途中までしか切符を買えずに、
あとは二時間近く歩いて、
ようやく家に帰り着いた。
その彼女と結婚して、
もう三十五年になる。
アマ劇団活動が唯一の趣味で、
毎月一度は
勉強のために出かけていた。
その日は若い女性と一緒だった。
アマ劇団で後輩だが、
不思議と気が合った。
時間まで食事をし、
お茶を飲んだ。
席が隣り合う観劇は、
胸がときめき
観劇どころではなかった。
帰りの電車内でも話は弾んだ。
話す時ジーッと見つめる彼女に、
もうメロメロ状態に。
「あ?着いちゃった。
ここで降ります」
彼女の家は明石。
名残惜しそうな様子で
電車を降りる彼女。
私の理性は一瞬吹っ飛んだ。
慌てて後に続き、
降りた。
驚く彼女に、
「もう少し一緒にいたいから」
正直な告白だったが、
「ごめんなさい。
もう遅いから帰らないと
叱られちゃう」
とそっけなく彼女。
改札で切符を払い、
駅前で見送ったが、
その後が大変。
財布には
もう小銭しかなかった。
途中までしか切符を買えずに、
あとは二時間近く歩いて、
ようやく家に帰り着いた。
その彼女と結婚して、
もう三十五年になる。