いま

末娘が学生最後の
年を迎えた。
昨年からの就活に加えて、
新たな夢をかけ
国家資格を手にすべく
挑戦を始めた。
　今更
何をやっているんだとは
非難できない。
親の私も
迷いに迷いながらも
挑戦を諦めない
人生を送った。
それは波乱万丈で
実に面白い人生だった。
そして
いまの幸せを得られた。
自分が正しいと信じたことは、
悔いのないように
ぶつかればいい。
末娘にもそうあってほしいと
願ってやまない。
老体に
最後のムチをくれて、
娘の挑戦を
支えてやろうと思う。
　四人の子宝に恵まれ、
子育ても
累計三十年以上になる。
巣立った三人の子育てが
成功だったかどうかは
わからないが、
まともに生きる努力を
重ねる大人に
育ってくれている。
　そしていま
子育ての総仕上げを
末娘が担ってくれる。
親を立派に
卒業するための、
記念すべき年に
高揚感は高まる一方だ。
　子供と孫に囲まれた
平穏な一日の実現を
夢見ながら。
さあ最後の踏ん張りを
見せてやる。