こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

かさいに生きる1 ゆるぎ岩1

2020年05月17日 09時21分34秒 | つぶやき
リューゴの住んでいる村は、
豊かな山々に囲まれた盆地にあります。
春、夏、秋、冬と季節が変わるたびに、
いろんな表情を見せて楽しませてくれる、
深い森がいっぱいの山々です。
その山には、
ズーッと昔からある神社とか、
伝説の場所とか、
いろいろあるのです。

 リューゴは山の中腹にある『ゆるぎ岩』が大好きでした。
小さい頃から、
お父さんにしょっちゅう連れて行って貰っています。
お父さんは山歩きが大好きなのです。

 リューゴは今年から小学一年生になりました。
小さな胸がドキドキしっ放しだった入学式も終わって、
リューゴがお母さんと家に帰ってくると、
お父さんが待っていました。
ニコニコしてリューゴを迎えてくれました。

「おめでとう。
リューゴもやっと一年生になったんだな」

「うん。ぼく、
一年生なんだ」

 リューゴは得意そうに胸を張って言いました。

「よーし、
それじゃ、
あの約束を果たしてやろう」

「本当。
じゃあ、
服着がえてくるからね。
待っててよ」

「ああ、
いいよ」

 お父さんは、
ポンとリューゴの頭に手をやりました。

 慌てて服を着がえたリューゴは、
お父さんと一緒に山へ登りました。
もちろん、
『ゆるぎ岩』のある山です。
でも、
きょうはいつもとちょっと違って、
楽しいことが待っています。
そうですお父さんとの約束が実現するのです。
一年生になったら
(ゆるぎ岩を、
お父さんと一緒に揺すってみようか)
との約束でした。

『ゆるぎ岩』は四メートルもありそうな、
大きな岩がふたつ並んで寄り添っているのがそうです。
ひとつは三角おにぎりみたいな形だけど、
もうひとつの岩は随分不思議な形をしています。
卵を縦に立てたのと同じで、
いまにも倒れてしまいそうなぐらい根元が細いのです。
でも、
絶対倒れたりしません。

「さあ、
リューゴ、
よく見てろよ」

 お父さんは『ゆるぎ岩』を前にして立つと、
リューゴをチラッと見て言いました。

「うん」

 リューゴはちょっぴり緊張気味で返事をします。

 お父さんはパンパンとかしわ手を打って、
さあいよいよです。
お父さんは『ゆるぎ岩』の表面に描かれてある手形へ、
手を伸ばしていきます。
白いペンキで輪かくだけの手形です。
ペッタリとお父さんの手は、
手形に合わさりました。

「それ!」

 お父さんは掛け声とともに、
『ゆるぎ岩』を押しました。

 リューゴは固唾を呑んで、
『ゆるぎ岩』のてっぺんを見つめます。
力いっぱい小さなコブシを握り締めました。

 一回、二回、三回……
お父さんは『ゆるぎ岩』を押し続けます。

「アッ!」

 リューっが驚きの声を上げました。

                           (つづく)


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つれづれに

2020年05月17日 00時43分37秒 | 日記
コロナに疲弊を覚えながらも、
生きている以上
何かをやろうと
身近なものに
目を向ける日々です。


昨日、
小諸・藤村文学賞の
本選考候補作品に決定したとの一報が。

これまでにも最終候補に残った公募は
いくつかありますが、
勝負運の悪い私に
栄冠はいつも冷ややかです。
それでも、759編の応募作品から
選抜(?)されたことは、
光栄だし、
実に嬉しい限りです。
それに次への挑戦意欲を掻き立ててくれます。


とはいえ
目がますます悪くなり、
大型ミニター画面が
見ずらくなるばかり。
白内障の手術を受ければ
少しは回復するかもしれませんが
思い切れません。(根っから怯んたれなんですよ。苦笑)

昨日の続きで、
根日女創作倶楽部@まちライブラリーに
関連の写真をアップしました。

小動物とのふれあいや
ミニガーデンとプチ畑のたい
コーヒーを飲みながらの本談義、談笑の場も
用意しています。
コロナが収まったラ、
この田舎まで足を延ばしてくださいますように。

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