こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

エール

2015年11月09日 07時31分55秒 | Weblog
 高校の修学旅行で一度訪れた福島。美しく豊かな自然に感激したものです。震災で福島が気になりいつかもう一度と思っていたのに、思わぬ機会が。第10回みどりの文コンクールの絵手紙入選の一報を頂くと、心ははるか遠くの福島に飛んでいました。
 高速バスを乗り継ぎ10数時間。念願の福島入り。限られた時間、福島駅を起点に近くを歩き回るのが精いっぱい。表彰式に臨み、福島の人情に接して心を和らがせました。
 帰途の高速バス内で開いた本紙。一面に第1原発の記事が。『ふくしま負けない明日への』特集記事が。(まだ終わっていない!)
 神戸の震災で叔母や叔父が家を失い、家の再建を待たずして老人施設で亡くなったのを思い出します。ボランティア炊き出しで入った神戸で味わった喪失感も。あの二の舞を繰り返す世の中であってはならない!
福島の人たちや豊かな自然を前に、(頑張れ頑張れ!)と無力な私の思いです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

現実を知った旅

2015年11月08日 00時05分12秒 | 文芸
念願だった福島入り。ミントクラブの絵手紙講座を受講してほぼ一年。みどりがテーマの絵手紙が入選。表彰式会場が福島。高速バスを乗り継ぎ十数時間、ようやく到着した。
 震災、原発事故……ここ数年耳にする福島は過酷な運命に見舞われていた。神戸の震災で順調だった人生を奪われた伯母の姿がダブって、とにかく一度は訪れたかった福島の地。
 高校生の時、修学旅行で訪れて以来だったが、自然豊かで心安らぐ風景は記憶通り。地元の人と接して、その和やかさにホッとした。
 ところが、地元の新聞を開いてハッとした。一面は、福島第一原発の現状を詳細に表す記事。中ほどには『ふくしまは負けない 明日へ!』とアピールした特集欄。紹介される被災地の声、やはり人生を狂わされた人たちの悲痛な叫びと再起への覚悟が詰まっていた。
 まだ終わっていない!復興への道のりはまだ半ば。福島や他の被災地のいまを忘れず支援しなければ。反省しきりの旅となった。
(神戸・11月6日掲載)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自衛隊基地を歩く

2015年11月07日 00時09分42秒 | Weblog
ついに自衛隊の見学日。
今まで一度も自衛隊敷地に足を踏み入れたことがないだけに、結構期待でワクワクしてる。
校区の老人会総勢100数人。地元の老人間の来訪だけに自衛隊の対応もいい。
小ホールで基地施設と自衛隊の組織の現況説明を受ける。
図書館戦争が愛読書だという士官の説明が30分あまり。
スライドを見ながら、ちょっとコックリコックリ。
しかし、基地内の見学になると目はパッチリ!
戦車やホーク砲を見ながら、国の防衛は甘い考えではどうにもならないと実感した。
この基地に隊員総勢500人。うち女性隊員は25人だという。
格闘技の訓練をする隊員の姿に一種の感動を覚えた。
自衛隊を後にするまで二時間近く歩き回った基地内。
隊員たちの生活を垣間見るいい機会を得られたと思う。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

老人は行く

2015年11月06日 01時09分29秒 | Weblog
明日は老人会のイベントだ。地区役員の身、不参加するわけにはいかない。

自衛隊の見学とウォーキングが予定されている。

自衛隊の見学の手続きはかなり複雑だ。

昨今のテロに対する危機管理の重要視もあるのだろうが、名簿の提出が必須。

住所氏名に年齢に職業も。

こちらは老人会だよ。

仕事は引退した人間がほとんどだ。

無職はいけないのなら何て書こうかな。なんてね。

とにもかくにも、おじいちゃんおばあちゃん一行のひとりになりまーす。

明日は早起きしなくちゃ。

てなわけで、今夜はもう寝ることにします。

明日の社会勉強を楽しみにしながら、

おやすみなさ~い!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自分の居場所が分からなくなる時

2015年11月05日 00時09分43秒 | Weblog
結婚生活31年目。子ども4人、
娘二人、息子二人。
しごく幸せな家庭生活だったと思う。
息子二人は成長して巣立ち、
今は遠くにいる。
長女はこの春結婚した。
来春に孫誕生の予定らしい。
まさに幸福そのもの。
ただ、最近味わう寂しさは
どうにもならない

家に同居する子供は末娘ひとり。
大学に通う
同時にアルバイト。
忙しく充実している

定年退職したわたし
仕事に忙しい妻
夫婦の歳の差13歳。

家庭の団欒がなくなって久しい
ひとり
モソモソと食べる夕食

寂しいですね
わびしいですね。

あまりにも幸せだったから
その反動が
とてつもなくキツイ。

でも
それを
しあわせにしていく
努力が
父親の役目
家庭のあるべき姿

結婚て
大変だなあと
いま
しみじみと
想っている。

でも
……!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

災害考

2015年11月04日 10時59分05秒 | Weblog
テレビが騒いでる
また大雨
今度は北海道
九州…四国…北陸…東北……
自然災害が
異常事態で亡くなった人々
この恐怖
 
台風が避けて通ると言われる
わたしが住むまち
いまはまだ平穏だけれど
大自然の牙は
いつか必ず 例外なく
向いてくる
忘れたころに
その日が怖い

覚悟と防災を
せめて
鎧・兜にかえなければ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

本を読む

2015年11月03日 01時22分55秒 | 文芸
 高齢者の仲間入りして以来、愛読し始めたのが、松岡圭祐の千里眼シリーズ。とにかく面白い。肩ひじ張らずに読めるのがいい。
若い美女がヒロインという魅力だけではない。スピード感あふれるストーリーに緻密な取材がなされた舞台背景の描写。これぞエンターテインメント小説の最高峰ではないか。
今回読んだのは『千里眼 美由紀の正体』(上・下)。ヒロインが暴走する遠因は、消された記憶の真相の中にある。彼女が大切にして来た思い出がすべて偽りだと言う。この設定ひとつとっても、読者をひきつける要素はたっぷり含まれている。
記憶を失った女性の事件に立ち会った臨床心理士岬美由紀。隠された真実を解明し、姑息に職務を悪用しおのれの欲望を満たした防衛省職員を徹底して断罪する。その怒りのすさまじさに、周囲は困惑する。心優しい正義感を持つヒロインの姿をよく知っているからだ。舞台は団地に、花火大会の会場へ、榛名山へと舞台は目まぐるしく展開する。
行き過ぎた正義感を法に裁かれようとするヒロインの窮地に、理解しあった旧知の仲間たち―臨床心理士の嵯峨、自衛隊のパイロットで元同僚の伊吹、ヒロインの正義感を信じてやまないベテラン刑事蒲生らが応援に駆け付ける。もう目は離せない。悪と正義の凄まじい闘いである。一気に読み進む。
確かに絵空事だが、時代を読み取り、法と正義の有り方はどうあるべきかをはっきりと読者に問い掛けてくれる。そこには弱者に対する愛情が忘れられず常に存在している。
事件がヒロインの手によって終着した後、法廷で裁かれるヒロイン。「たとえ相手が同情の余地のない犯罪者でも問答無用の暴力での断罪は許されない」裁判官の指摘がすべてを言い尽くしている。[司法に携わる人間としてあなたと同じ能力が備わっていたらと思わない日はありません」としめくくる裁判官。その人間味と仲間たちの喜びに胸が熱くなる。
この社会にまだまだ希望と夢は健在なり!生きる自信を与えてくれる秀作だった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ふるさとは近くにありて

2015年11月02日 03時01分32秒 | 文芸
 加西市の公式キャラクター『根日女』を主人公にオリジナルな舞台を作ってほしい。依頼に顔を見せたのは青年会議所のメンバー。
「齋藤さんのお芝居を魅せて頂きました。その上でお願いにあがりました」
 メンバーが観たのは『忠臣蔵』。姫路で主宰するアマチュア劇団の定期公演だった。
「加西在住と伺っておるんですが」
「ええ。生まれも育ちも生粋の加西っ子です」
「ふるさとの町おこし企画にご協力いただけませんでしょうか」「分かりました」
 二つ返事で引き受けた。丁寧な依頼を断る気にはならない。まして『根日女』である。
 播州風土記に記された地元、玉丘古墳にまつわる美女伝説のヒロインが『根日女』。加西っ子の心を魅了してやまない王女を戯曲化して舞台にのせる。考えただけでワクワクする。
『根日女』プロジェクトがスタートした。加西側のスタッフと会合を重ねた。その過程で地元に暮らしながら無知だった加西の魅力に開眼した。(オレのふるさとって、こんなに素敵だったんだ)。心がうちふるえた。
 加西はド田舎。いつもそう卑下していた。だから姫路や神戸に足を伸ばすのが常だった。じっくりふるさとを振り返る機会は皆無だった。いまだって加西に暮らしながら姫路が生活の中心。趣味のアマチュア劇団活動も加西に目を向けることはなかった。
 しかし、街づくりに賭ける若者たちと関わると、それまでの考え方が愚かだったのに気づいた。
 加西市は豊かな自然と歴史を併せ持つ。播州歌舞伎の発祥の地だ。古墳群や寺社仏閣がひしめき合っている。
 曲がりなりにも演劇をやっていて、わが町に連綿と伝わる播州歌舞伎の存在を知らずにいた。恥ずかしく情けなかった。
 加西の歴史を彩った『根日女』についてだけでなく、『五百羅漢』『法華山一乗寺』…と資料を読み漁った。知れば知るほど、ふるさとの限りない魅力につかれた。
 加西の歴史と自然をまともに見据えて書き上げた『根日女』の脚本はスタッフに好評だった。
「こんな魅力に気付かなかったなあ。加西が生活の拠点なのに」「私たちもふるさと加西を見直すいい機会を得られたと思います」
 口々に言い合うメンバーたちにふるさと回帰の思いを強く感じた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

人間交差点

2015年11月01日 06時16分33秒 | 文芸
「将来飲食店で独立するんやね。ならここで思い切り勉強したらいいじゃないか」
 調理師学校に紹介されたH商工会議所内のレストラン。面接相手は何のこだわりも見せない。自分の店を持つまでとハシゴ的な身勝手過ぎる求職者を「いいよ、いいよ」という感じで迎えてくれる。終始ニコニコと緊張感や余分な考えを包み込む。それがY専務だった。二十一歳の若者には父親同然に見えた。
 レストラン勤めは順調だった。調理師学校で学んだ調理技術は、職場の上司M調理主任のおおらかな指導のもと生かされた。優しい同僚たちにも恵まれて楽しく仕事をした。
「専務さん、仲人をお願いできますか?」
 就職して2年目。つきあっていた彼女と結婚を決め、Y専務のもとを二人で訪れた。
「ほうか。結婚するの。喜んで引き受けましょ」
 彼女と二人、感謝の頭を下げた。
 Y専務はすぐに動いた。結納で彼女の親元に出向き、結婚式場も早速押さえた。レストランと提携する結婚式場だった。
「これはというメニューを考えてやるよ。きみには一生に一度の晴れ舞台だからな」
 W主任も喜んだ。同僚らの好意的な冷やかしも心地よく嬉しかった。
「ありがとうございます!」
 何度も頭を下げながら、にやけた。
 それが3週間後、事態は一変した。
「結婚するの自信ない。…結婚できない…!」
「え?」
 寝耳に水だった。前日までは二人の未来をあんなに幸せいっぱい語っていたのに。
 彼女の心を取り戻すべく懸命に慰留したが、無駄だった。彼女の思いは決意に変わった。
「結婚はやめる!」
 初めてだった恋愛経験、その彼女との結婚しか考えられなくなっていた私には大ショックだった。しかし、もう彼女に取り付く島はなかった。
 何も考えられなくなり、職場を無届けで休み、アパートの自室にこもった。死にたいと思ったが、それを実行する勇気はない。知り合いの誰とも会いたくなかった。ただ布団を頭からかぶってモグラ状態で過ごした。
(…どうしたらいいんだろう?親には…専務さんは…主任さんは…)
 どの人にも申し訳ないが先に立つ。やっと落ち着いても、破談の後始末なんて、考えられるはずがない。職場の上司や同僚の顔を思い浮かべ、焦燥感に押しつぶされそうになるだけ。結局3日間、アパートは出られなかった。
 誰かがドアを叩いている。フラーッと玄関に移動した。でもドアのノブに手は出なかった。何度も何度もドアを叩いたあげく相手はようやく諦めた。「ホッ」と緊張が解けたとき、郵便受けに何かが差し込まれた。一枚のメモ書きだった。
 ドアの向こうに気配が消えたのを確かめると、やっとメモを手にした。
『みんな心配している。きょうの夕方、仕事終わりに専務と一緒に来るから、7時頃、家にいてくれよ M』
 3日間何も連絡せずに休むスタッフを心配した主任が、ワザワザ来てくれた。(忙しいのに…)また申し訳なくて堪らなかった。
時間を指定されてしまっては、もう居留守を使う訳にはいかない。Y専務とM主任、あの優しい上司と顔を合わせないわけにはいかない。
「オレ、外で待ってるからな」
 M主任の気配りで、私はY専務と二人きりにされた。罪悪感いっぱい、気まずい思いにいる私を慮った専務は先に口を開いた。
「お父さんに☎を貰った。向こうさんの家から連絡があったそうだ。えらく心配されていたよ」
 すべてを専務は知っている。それなのに、全く変わらない笑顔が目の前にあった。
「…ぼ、ぼく…」
「無理しなくていいから。ややこしい手続きは私がやっておくから。きみはこの週末まで休みをとるといい。落ち着いたら仕事に出なさい。みんな待ってるよ。きみがいないと寂しいんだってさ」
 ボロボロと涙が出た。
「ただ、どんなことがあっても、自分だけで持ち込むんじゃないよ。ご両親だって、僕も主任も、ちゃんと相談に乗れるんだから。せっかく出会えた相手だろ。大事にしなきゃ」
 何も言えない。止めどもなく流れ落ちる涙を頻りに拭った。
 週明けに職場へ。何とも言えない気恥ずかしさは、同僚たちがすぐ忘れさせてくれた。
「これからの君は、今回のことを生かして、強く成長しなきゃいけないよ。人任せの人生は何度も繰り返さない。いいね、約束だ」
 改めて詫びる私に向けたY専務の言葉は、私の胸に深く刻まれた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする