老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

998 桜に逢えて本当に良かった

2019-03-13 08:50:01 | 老いの光影
桜に逢えて本当に良かった

桜は 寒い冬をじっと耐えてきた 寒さに負けず 雪にも負けず 春を待つ”

ツバメは春の風を運ぶ
もう少しで桜前線は
白河の関を越える

インフルエンザの大敵にも罹ることなく
冬を乗り越え
また一つ齢を重ねた老い人たち
“桜の花を観るのは これが最後かな”と、呟く

「今日、桜に逢えて本当に良かった」
老女は泪を浮かべていた。
一年生き延びてきたことへの感謝と喜び。

桜の花は
閉じたにんげんの心を解し(ほぐし)
心躍らせてくれる。

桜の花は儚く散る
桜の時期は
別れ《卒業》と 出会い《入学、入社》とも重なる。

桜咲く春に
あなたは何を想う。