老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

1014 あなたがいるから

2019-03-20 11:47:11 | 犬と人間
 あなたがいるから

beagle元気の呟き

あなたがいるから
あなたを一途に頼りに生きている

散歩にしたって
フードを食べれるのだって
水の補給だって
オムツの取り換えだって

あなたがいるから
生きていける
だからあなたに
精一杯尻尾を振る「ぼく」

日中独りになっても
寝ながら
あなたの帰りを待つ「ぼく」

あなたが休日のとき
キャンバスの助手席に乗り
ドライブのときは最高~
鼻で春の匂いを感じる「ぼく」

1013 要介護老人は弱い人? 強い人!!

2019-03-20 03:56:48 | 老いの光影 第4章
 要介護老人は弱い人 強い人!!

90の齢を超えた寝たきり老人の寝息は
途切れることなく続いている
脳梗塞後遺症、認知症を抱え
寝たきり10年を数えた

10年一昔、と昔の人はよく話していた
今は時代の移り変わりがめまぐるしく一昔は、10年から5年に短縮された

“寝たきり10年”と一言で簡単に済んでしまうけれど
実際に明けても暮れても10年間
ただ只管(ひたすら)滲みがついた天井板や柱に刻み込まれた傷を
じっと見つめながら生き耐えてきた姿に
脱帽することしきり

高熱や肺炎、褥瘡にも罹ることなく
生きてきた
両膝、両肘は拘縮し膝を抱え寝る姿は胎児のよう

おむつ交換をされるたび
拘縮した脚は痛みが走り抜ける
「痛い」と唸り声を出すことなく耐えている寝たきり老人

欲しがりません勝まで、と食べることにも事欠いた戦前
戦争に敗れた日本は
廃墟と貧困のなかで
子どもに食べさせ 親は食べずに生きてきたこともあった
貧困と病気を乗り越えてきた老人たちは
弱い人ではなく強い人であった

大正、昭和そして平成の時代を生き抜いてきた
90歳を越えた老人たちは
頑固 我儘 他人の噂や言動は気にしない(マイペース) 我が路を行くの性格であった
だから90歳を越え寝たきりの状態にあっても生き続けている

要介護老人は
他人の手を借りなければ生きてくことができない「弱者」とみられている
弱者であるどころか「強い人」である
寝たきり10年に象徴される


いま自分が寝たきりなったとしよう
10年間介護ベッドにジッと臥すことができ得ようか
否である