老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

1384;聴こえる言葉に・・・・

2020-02-03 03:17:53 | 老いの光影 第6章 「老い」と「生い」
聴こえる言葉に・・・

93歳の老女の喉は
食べ物、水を飲み込むことが
日増しに難しくなってきた。

唇は渇き始め
ガーゼを水で湿らせ唇をなぞる

息子、娘、孫、ひ孫も訪れ声かけるも
頷くも言葉が返って来ない

93歳の老女の脳裏は
生きてきた風景を想いだしているのであろうか

彼女を励まそうと
遠い親戚にあたる男性老人(88歳)が
彼女の家を訪れた。
(デイサービスの職員が付き添う)

「元気になってよ」の言葉が
彼女の耳に届き
声弱に「ありがとう」、と返す。

デイサービスで仲良しの二人
彼女の手を握り励ます爺さん
爺さんの目は涙で潤んでいた


コメント (2)
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