河島英五 「石仏」
河島英五の歌は、人生哲学や思想がある
「酒と泪と男と女」「時代おくれ」などが歌い継がれているなかで
「石仏」という歌がある
いつ作詞作曲されたかわからないけれど
聴いていると 石仏の情景が浮かぶ
貧しい時代の貧しい村に
貧しい家族があった
子どもが産まれても育てることはできず
間引きされた時代もあった
嗚咽混じりに子どもを死なせた母親が
涙で固めて作った石仏
貧しい農家にも
赤紙一枚(召集令状)が届き
お父や息子たちは戦争にかり出された
異国の戦死した男のために
戦恨み弔いながら作った石仏
人を殺した哀れな男が
生きてる事の 悲しみを
背負いきれずに 作った石仏
名も知れぬ村の外れ路傍の石仏
ずっと昔その昔の前から
石仏は雪に埋もれ雨風にうたれ
時代の流れをみつめてきた
貧しい人の悲しみや辛さ
石仏は分かち合ってきた
石仏は雪に埋もれ雨風にうたれ
じっとその場所で
貧しい人の悲しみや辛さを背負ってきた
だから石仏の目は慈愛に溢れているのだろう
作詞 作曲 河島英五 「石仏」
山の奥の 道のはずれの
小さな石の仏
何百年も昔から
時の流れを じっと見ていた
子供死なせた 母親が
涙で固めて 作ったか
戦で死んだ 男の為に
戦 うらんで 作ったか
女を犯した 哀れな男が
やむにやまれず 作ったか
生きてる事の 悲しみを
背負いきれずに 作ったか
だけどこれは
どこかのお金持ちが
作った物ではないだろう
いく度か 季節の移り変りの中で
喜びを分かちあってきただろう
雪に埋もれ 雨風にうたれ
悲しみを 分かちあってきただろうだから
こんなにしっかりと目を閉じている
いく度か 季節の移り変りの中で
喜びを分かちあってきただろう
雪に埋もれ 雨風にうたれ
悲しみを 分かちあってきただろうだから
こんなにしっかりと目を閉じている