老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

望郷の念をそそった”露営の歌”

2020-09-13 08:39:24 | 歌は世につれ・・・・
1674 望郷の念をそそった”露営の歌”



NHK連続テレビ小説『エール』が再開する
日中戦争に入り軍歌が流行り、なかでも『露営の歌』のメロディーは
哀調と望郷の念をそそった。

農村などの若者たちを赤紙1枚で戦地に駆り立てられ
親や妻、兄弟、祖父母たちは)心では泣いて見送ったのです。
戦況が思わしくなり、白い箱に入って帰還したのでした。

自分は戦争を知らない子どもとして育ち
軍歌を歌うことに忌み嫌っていた。
古関裕而さんの人柄や曲を聴いて
『露営の歌』が心に沁み、当時の若者はどんな思いを抱き
異国の地で戦闘(たたかい)に挑んだのか
あらためて軍歌や戦争を見つめなおすことができた。

「欲しがりません勝つまでは」の時代のなかで軍歌が浸透し歌われ、
国民を総動員した戦争があったことを忘れてはならない。
こうした「歴史認識」の上で、戦争を繰り返してはいけないし
また、東京大空襲、ヒロシマ、ナガサキの悲惨な状況を繰り返してはいけない。


露営の歌  
作詞:薮内喜一郎
 作曲:古関裕而
 歌唱:霧島  昇
 編曲・制作:滝野細道

勝って来るぞと 勇ましく
ちかって故郷(くに)を 出たからは
手柄たてずに 死なりょうか
進軍ラッパ 聴くたびに
瞼に浮かぶ 旗の波

土も草木も 火と燃える
果てなき曠野 踏みわけて
進む日の丸 鉄兜
馬のたてがみ なでながら
明日(あす)の命を 誰が知る

弾丸(たま)もタンクも 銃剣も
しばし露営の 草まくら
夢に出てきた 父上に
死んで還(かえ)れと 励まされ
醒(さ)めて睨むは 敵の空

思えば今日の 戦闘(たたかい)に
朱(あけ)に染まって にっこりと
笑って死んだ 戦友が
天皇陛下 万歳と
残した声が 忘らりょか

戦(いくさ)する身は かねてから
捨てる覚悟で いるものを
ないてくれるな 草の虫
東洋平和の ためならば
なんの命が 惜しかろか