老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

死ぬより生きる方が大変

2020-09-17 08:43:40 | 老いびとの聲

草むらに咲く秋桜

1680 死ぬより生きる方が大変

これから更に老夫婦世帯が増えてくる
老いてもお互いに元気なうちは、平穏な日々が続く。
老いを嵩ね病を患い 介護を要する状態になったとき
夫は妻に世話(介護)をしてもらいたい、と欲しているが
昭和二桁の夫婦は、どうなのであろうか。

要介護状態になる前の夫婦関係がどうであったのか
どちらかが先立たれたとき弱いのが男性(老夫)である
自分もその一人であり炊事洗濯掃除の家事をせねばならなくなるが
なかでも厄介なのが「炊事」である。

老いて要介護にならぬようにするには、「歩ける」ことが不可欠。
赤ちゃんも老人も「歩行」の意味は大きい。
赤ちゃんの「第一歩」はアポロの月面歩行以上に遥かに偉大であり
老人の「歩行維持」は移動の自由を失わない意味で大切なことである。

一昨日退院し自宅に帰ってきた春男さん(70歳)
左足に短下肢装具をつけ4点杖でどうにかトイレまで「歩ける」が
左麻痺と左右の腸骨骨転移のため転倒リスクが隣り合わせにあり、ひとりでは歩けない。
彼はひとり暮らしのため、「歩き」による移動は禁じられ、「車いす」で家の中を移動する。
夜は、紙おむつをつけ、朝8時にヘルパーが訪れる。

ず~とひとり暮らしをしてきたから
自分が思っているよりは、夜ひとりで眠ることは「慣れて」いるのか・・・・。

人間ひとりでは生きてはいけないことはわかってはいるが
「歩く」ことができない不自由さは、もどかしく情けなく諦めの気持ちになってしまうのだろうか
できることはなにか、経済的なことも絡むだけに難しい
それ以上に老い末期癌を抱えひとり生きていくのは大変である。