老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

ゼンマイ時計

2020-09-16 20:46:10 | 阿呆者
路の真ん中で烏が2羽たむろしている


1679 ゼンマイ時計

いま、時計は電池式のものが多い
ゼンマイ時計は味があったような気がする。
ネジを巻かないと時計の針は動かなくなる。

いまの自分、ネジを巻いても巻いても動きが鈍い
ゼンマイが切れた訳でもないのだが
いまひとつパッとしない。

仕事は遅々として進まず
時間は容赦なく時を刻む。
時間は逃げないのだから
時間を無駄にせず、何事も段取りが大切なの哉・・・・。



月が雲に隠れるように

2020-09-16 05:42:08 | 読む 聞く 見る
1678 月が雲に隠れるように

認知症老人は
先ほど話したことも忘れ
また同じことを話す

同じことを「聞く」のは疲れる
こっちがおかしくなってしまう、と
認知症老人を疎む

同じようなことを話しをしていても
本人にしてみれば
常に新しい出来事として話をしている。



『すみなれたからだで』(窪美澄、河出文庫)のなかに「朧月夜のスーヴェニア」という短編小説がある。
その小説のなかで「なるほど」と膝を叩くよう文に遭遇した。
「私は認知症ではない。新しいことを覚えたくないだけ。
新しい記憶がおさまらないほど、古い記憶で頭のなかがいっぱいなのだ。
だから、時折、月が雲に隠れるように、家族の顔や、住んでいる場所や、
自分の名前や年齢がわからなくなる。」
(173頁~174頁)

認知症老人は朧月夜みたいな感じなのかな
朧げではっきりとわからなくなることもあり
「月が雲に隠れるように」、先ほどまで覚えていた記憶も忘れわからなくなる。